(社)日本建築家協会近畿支部マンションメンテナンス部会 資料集

建設省経動発第39号

                       平成11年 6月1日

中高層分譲共同住宅管理業者登録規程に係る登録管理業者 あて

建設省建設経済局不動産業課長

中高層分譲共同住宅標準管理委託契約書等の運用について

近年、マンションのストックの増大、居住者のニーズの多様化等に伴って、マンション管理の適正化が重要な問題となっている。特に、マンションの管理組合が実際の管理業務を管理会社に委託していることが一般的となっている中で、管理費、修繕積立金等の保管をめぐるトラブルが依然見受けられるところである。

 建設省においては、既に、マンションの管理業者が管理委託契約を締結する際に「中高層分譲共同住宅標準管理委託契約書」(以下「標準管理委託契約書」という。)を指針として活用し、修繕積立金等の保管の適正化を図るよう、昭和57年及び平成4年に通達したところである(昭和57年5月21日建設省計動発第69号・建設省住民発第31号、平成4年12月25日建設省経動発第106号・建設省住管発第5号)が、いまだその趣旨が十分に浸透していない状況が見受けられる。
ついては、下記について管理組合との十分な意見調整を図られるとともに、いまだ措置されていない管理委託契約書にあってはすみやかにその見直しを図るよう努められたい。


平成4年12月25日建設省経動発第106号・建設省住管発第5号通達「中高層分譲共同住宅(マンション)に係る管理の適正化及び取引の公正の確保について」記第2の3中「管理費、修繕積立金等の保管については、その預金口座を管理業者名義にすることがないようにする」の徹底を図られたいこと。

 なお、標準管理委託契約書別表第1・業務実施要領中「ニ 管理費等のうち修繕積立金については、○○銀行○○支店に○○マンション管理組合理事長名義(又は○○マンション管理組合管理代行○○管理会社名義)の口座を設けて、保管すること。」の記述については、本来修繕積立金の口座名義は管理組合理事長名義であるべきものであるが、マンションの分譲直後など管理組合理事長が選任されていない場合に限って一時的に「○○マンション管理組合管理代行○○管理会社名義」とすることを想定しているものであり、その後管理組合理事長が選任されたときにはすみやかに当該理事長名義とするべきものであること。また、昭和62年4月25日建設省告示第1035号「中高層分譲共同住宅管理業務処理準則」第6条「登録を受けた者は、管理組合から預託を受けた金銭又は有価証券を、管理組合以外の名義を用いて他の者に預託してはならない。ただし、管理委託契約に別段の定めをしたときは、この限りではない。」の運用についても、管理会社名義を用いて預託することについて当該管理組合から依頼があり、かつ、「○○マンション管理組合管理代行○○管理会社名義」という名義を用いた場合でも、預託された財産は当該管理会社の財産となる場合があることを管理組合に十分周知させること。


なお、あわせて別紙を参考とされたい。

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(別紙)


平成11年2月4日衆議院予算委員会における法務省民事局長答弁の概要一般論として、

修繕積立金が「○○管理組合代行○○管理会社名義」で預金されている場合には、

預金名義のほかに、預金通帳及び届出印鑑の管理状況、管理組合と管理代行会社との管理委託契約の内容等が考慮され、場合によっては管理代行会社の預金であると裁判所が判断する可能性がある。この場合に管理代行会社が破産したときは、その預金は管理代行会社の破産財団の構成する財産に帰属することになると考えられる。