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 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」及び関係法令について


「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」の概要

1.法律の目的
本格的な高齢社会の到来を間近に控え、高齢者や障害者の自立と積極的な社会参加が望まれることから、不特定多数の者が利用する公共的性格を有する建築物を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるよう措置していく必要がある。このため、建築主への指導、誘導等の総合的措置を講じ、速やかに良質な建築ストックの形成を図る。
2.法律の骨子
1)デパート、ホテル等不特定多数の者が利用する建築物(特定建築物)の建築主(特定建築主)は、出入口、廊下、階段、便所等を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置を講ずるよう努めなければならないものとする。(第2条)
2)建設大臣は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関し、特定建築主の判断基準(基礎的基準及び誘導的基準)を定め、公表するものとする。 (第3条)
(注
)基礎的基準:高齢者、身体障害者等の利用を不可能としている建築物の障壁を除去する基準
誘導的基準
:高齢者、身体障害者等が特段の不自由なく建築物を利用できる基準
?都道府県知事は、特定建築主に対して、判断基準(基礎的基準)を勘案して必要な指導、助言等をする事ができるものとする。(第4条)
?都道府県知事は、判断基準(誘導的基準)に適合している等、特定建築物の優良な建築計画に対して認定をすることができるものとする。(第5条第1〜3項)
(注
)認定建築物に対しては、予算補助、税制上の特例、低利融資の支援措置がある。
?計画の認定手続と建築確認手続を併せて行えるようにすることにより、建築基準法の手続を簡素化する。(第5条第4〜8項)
?認定計画に従って建築等が行われない場合には、都道府県知事は改善命令を発し、認定事業者がこれに従わないときは認定を取り消すことができる。(第8、9条)
?既存の特定建築物に車いす使用者のための昇降機を設置する場合において、建築基準法の特例を設ける。(第11条)
?廊下、階段、便所等の床面積を高齢者、身体障害者等の円滑な利用を確保するため通常の床面積よりも著しく大きくした建築物について建築基準法の容積率の特例を設ける。(第12条)


ハートビル法に基づく認定建築物に対して講じられる支援措置の概要

1.補助制度[人にやさしいまちづくり事業]
認定建築物で公益的施設を含むものについては、公益的施設に至る経路のうち、
・障害者の利用に配慮したエレベーター
・幅の広い廊下(車椅子が楽に通れるもの)
・勾配が緩やかで手すりのついた幅の広い階段
・障害者の利用に配慮したトイレ
等の整備費について地方公共団体が助成する金額(整備費の3分の2以下)の2分の1を上限として国庫補助を行っている。
2.税制上の特例
認定建築物については以下に掲げる税制上の特例措置が講じられている。
(1)所得税、法人税の割増償却
昇降機を設けた認定建築物について所得税、法人税の割増償却(18%、5年間)を可能としている。
(2)事業所税の非課税
昇降機を設けた認定建築物の高齢者・障害者対応の廊下、階段等の増床部分について事業所税(新増設分)を非課税としている。
3.融資制度(人に優しい建築物(ハートフルビルディング)整備促進事業)(1)認定建築物に対して日本開発銀行、北海道東北開発公庫から次の融資を行う。
・融資対象:認定建築物の40%を上限(日本開発銀行の場合)
・貸出金利:特別金利?
なお、認定建築物ではないものであっても、ハートビル法における基礎的基準を満たすものについては、同様に特別金利?で融資を行っている。
(2)さらに、認定建築物のうち、高齢者、障害者等の利用に特に配慮が必要な一定の施設整備に要する費用については、さらに低利子のNTT−C融資を行っている。
・融資対象:認定建築物の廊下、階段、エレベーター等の特定施設
・貸出金利:第三セクターにあっては無利子融資、民間事業者にあっては低利融資(
(1)の貸出金利の4分の3の金利)
(注)平成8年度から融資機関に中小企業金融公庫等を追加。 


高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号)
最終改正 平成7年2月26日法律第13号

第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、高齢者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの、身体障害者その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者が円滑に利用できる建築物の建築の促進のための措置を講ずることにより建築物の質の向上を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
第2章 特定建築物に係る措置等
(特定建築主の努力)
第2条 病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店その他の不特定かつ多数の者が利用する政令で定める建築物(建築物の部分を含む。以下「特定建築物」という。)を建築しようとする者(建築物の用途を変更して特定建築物としようとする者を含む。以下「特定建築主」という。)は、出入口、廊下、階段、昇降機、便所その他の建設省令で定める施設(以下「特定施設」という。)を高齢者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの、身体障害者その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者(以下単に「高齢者、身体障害者等」という。)が円滑に利用できるようにするための措置を講ずるよう努めなければならない。
(特定建築主の判断の基準となるべき事項)
第3条 建設大臣は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進を図るため、特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関し特定建築主の判断の基準となるべき事項を定め、これを公表するものとする。
(指導及び助言並びに指示等)
第4条 都道府県知事は、特定建築物について第2条に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定建築主に対し、前条に規定する判断の基準となるべき事項を勘案して、特定建築物の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。
2 都道府県知事は、特定建築物のうち政令で定める規模以上のものの特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置が前条に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、特定建築主に対し、その判断の根拠を示して、当該特定建築物の設計及び施工に係る事項のうち特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関するものについて必要な指示をすることができる。
3 都道府県知事は、前項の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定建築主に対し、特定建築物の設計及び施工に係る事項に関し報告させ、又はその職員に、特定建築物若しくは特定建築物の工事現場に立ち入り、特定建築物、建築設備、書類その他の物件を検査させることができる。
4 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
5 第三項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(計画の認定)
第5条 特定建築主は、建設省令で定めるところにより、特定建築物の建築及び維持保全の計画を作成し、都道府県知事の認定を申請することができる。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 特定建築物の位置
 二 特定建築物の延べ面積、構造方法及び用途並びに敷地面積
 三 特定建築物に設ける特定施設の構造及び配置並びに維持保全に関する事項
 四 特定建築物の建築の事業に関する資金計画
 五 その他建設省令で定める事項
3 都道府県知事は、第1項の申請があった場合において、特定施設の構造及び配置並びに維持保全に関する事項が第3条に規定する判断の基準となるべき事項に適合し、かつ、前項第4号に規定する資金計画が特定建築物の建築の事業を確実に遂行するため適切なものであると認めるときは、認定(以下「計画の認定」という。)をすることができる。
4 計画の認定の申請をする者は、都道府県知事に対し、当該申請に併せて、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。第7項において同じ。)の規定による確認の申請書を提出して、当該申請に係る特定建築物の建築の計画が当該特定建築物の敷地、構造及び建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合する旨の建築主事の通知(第7項及び第8項において「適合通知」という。)を受けるよう申し出ることができる。
5 前項の申出を受けた都道府県知事は、速やかに当該申出に係る特定建築物の建築の計画を建築主事に通知しなければならない。
6 建築基準法第18条第3項の規定は、建築主事が前項の通知を受けた場合について準用する。
7 都道府県知事が、適合通知を受けて計画の認定をしたときは、当該計画の認定に係る特定建築物の建築の計画は、建築基準法第6条第1項の規定による確認を受けたものとみなす。
8 建築基準法第93条及び第93条の2の規定は、建築主事が適合通知をする場合について準用する。
(計画の変更)
第6条 計画の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)は、当該計画の認定を受けた計画の変更(建設省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 前条の規定は、前項の場合について準用する。
(報告の徴収)
第7条 都道府県知事は、認定事業者に対し、計画の認定を受けた計画(前条第1項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。次条において同じ。)に係る特定建築物(以下「認定建築物」という。)の建築又は維持保全の状況について報告を求めることができる。
(改善命令)
第8条 都道府県知事は、認定事業者が計画の認定を受けた計画に従って認定建築物の建築又は維持保全を行っていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(計画の認定の取消し)
第9条 都道府県知事は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、計画の認定を取り消すことができる。
(資金の確保等)
第10条 国及び地方公共団体は、認定建築物の特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするため必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(既存の特定建築物に設ける昇降機についての建築基準法の特例)
第11条 この法律の施行の際現に存する特定建築物に専ら車いすを使用している者の利用に供する昇降機を設置する場合において、当該昇降機が次に掲げる基準に適合し、特定行政庁(建築基準法第2条第32号に規定する特定行政庁をいう。次項において同じ。)が防火上及び避難上支障がないと認めたときは、当該昇降機については、同法第27条第1項、第61条及び第62条第1項の規定は適用しない。
 一 昇降機及び当該昇降機の設置に係る特定建築物の主要構造部の部分の構造が建設省令で定める安全上及び防火上の基準に適合していること。
 二 昇降機の制御方法及びその作動状態の監視方法が建設省令で定める安全上の基準に適合していること。
2 建築基準法第93条第1項本文及び第2項の規定は、前項の規定により特定行政庁が 防火上及び避難上支障がないと認める場合について準用する。
第3章 雑則
(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の特例)
第12条 特定施設の床面積が高齢者、身体障害者等の円滑な利用を確保するため通常の 床面積よりも著しく大きい建築物で、建設大臣が高齢者、身体障害者等の円滑な利用を確保する上で必要と認めて定める基準に適合するものについては、当該建築物を建築基準法第52条第8項第1号に規定する建築物とみなして、同項の規定を適用する。
(研究開発の促進のための措置)
第13条 国は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進に資する技術に関する研究開発を促進するため、当該技術に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(国民の理解を深める等のための措置)
第14条 国は、教育活動、広報活動等を通じて、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。
(地方公共団体の責務)
第15条 地方公共団体は、国の施策に準じて高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築を促進するよう努めなければならない。
(大都市等の特例)
第16条 この法律中都道府県知事の権限に属する事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)及び同法第252条の22第1項の中核市(以下この条において「中核市」という。)においては、当該指定都市又は中核市(以下この条において「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。
第4章 罰則
(罰則)
第17条 第4条第3項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、30万円以下の罰金に処する。
第18条 第7条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20万円以下の罰金に処する。
第19条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の刑を科する。
附 則 
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(地方税法の一部改正)
2 地方税法(昭和25年法律第226号)の一部を次のように改正する。
附則第32条の3第20項中「第18項」を「第19項」に改め、同項を同条第21項とし、同条第19項の表中「第18項」を「第19項」に改め、同項を同条第20項とし、同条第18項の次に次の一項を加える。
指定都市等は、事業所用家屋で高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号)第6条第1項に規定する認定事業者で政令で定めるものが同法第7条に規定する計画の認定を受けた計画(平成8年3月31日までに同法第5条第3項の規定による認定(同法第6条第1項の規定による認定を含む。以下本項において同じ。)を受けたものに限る。)に従つて建築する同法第7条に規定する認定建築物で政令で定めるものに設置される同法第2条に規定する特定施設で政令で定めるものに係るものの新築又は増築に係る新増設事業所床面積(当該特定施設のうち政令で定める部分に係るものに限る。)に対しては、当該新築又は増築が当該計画の認定を受けた計画に係る同法第5条第3項の規定による認定を受けた日から3年を経過する日までの間に行われたときに限り、第701条の32第1項の規定にかかわらず、新増設に係る事業所税を課することができない。この場合においては、第701条の34第10項の規定を準用する。
附則第38条第11項、第39条第11項及び第40条第8項中「附則第32条の3第19項」を「附則第32条の3第20項」に、「第18項」を「第19項」に改める。
(建設省設置法の一部改正)
3 建設省設置法(昭和23年法律第113号)の一部を次のように改正する。
第3条第45号中「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法(平成5年法律第18号)」を「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法(平成5年法律第18号)及び高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号)」に改める。 


高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行令(平成6年政令第311号)

(特定建築物)
第1条 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律 (以下「法」という。)第2条の政令で定める建築物は、次に掲げるもの(建築基準法(昭和25年法律第201号)第3条第1項に規定するもの及び文化財保護法(昭和25年法律第214号)第83条の3第1項又は第2項の伝統的建造物群保存地区内における同法第2条第1項第5号の伝統的建造物群を構成しているものを除く。)とする。
一 病院又は診療所
二 劇場、観覧場、映画館又は演芸場   
三 集会場又は公会堂
四 展示場
五 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
六 ホテル又は旅館
七 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
八 体育館、水泳場、ボーリング場又は遊技場
九 博物館、美術館又は図書館
十 公衆浴場
十一 飲食店
十二 理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
十三 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
十四 一般公共の用に供される自動車車庫
十五 公衆便所
十六 郵便局、保健所、税務署その他これらに類する公益上必要な建築物
(都道府県知事による指示の対象となる特定建築物の規模)
第2条 法第4条第2項の政令で定める規模は、床面積(増築若しくは改築又は用途の変更の場合にあっては、当該増築若しくは改築又は用途の変更に係る部分の床面積)の合計2,000平方メートルとする。
(報告及び立入検査)
第3条 都道府県知事は、法第4条第3項の規定により、同条第2項の政令で定める規模以上の特定建築物の特定建築主に対し、当該特定建築物につき、当該特定建築物の設計及び施工に係る事項のうち特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるように するための措置に係るものに関し報告させることができる。
2 都道府県知事は、法第4条第3項の規定により、その職員に、同条第2項の政令で定める規模以上の特定建築物又は当該特定建築物の工事現場に立ち入り、当該特定建築物の特定施設及びこれに使用する建築材料並びに設計図書その他の関係書類を検査させることができる。
附則
(施行期日)
1 この政令は、法の施行の日(平成6年9月28日)から施行する。
2 地方税法施行令(昭和25年政令第245号)の一部を次のように改正する。
附則第16条の2の8第31項中「第18項まで」を「第19項まで」に、「及び第18項後段」を「、第18項後段及び第19項後段」に改め、同項を同条第35項とし、同条第30項中「第18項」を「第19項」に改め、同項を同条第34項とし、同条 第29項中「第18項」を「第19項」に、「附則第16条の2の8第29項」を「附則第16条の2の8第33項」に改め、同項を同条第33項とし、同条中第28項を第32項とし、第27項の次に次の四項を加える。
法附則第32条の3第19項に規定する政令で定める認定事業者は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号)第6条第1項に規定する認定事業者(建築物の用途を変更して同法第2条に規定する特定建築物としようとするものを除く。)とする。
法附則第32条の3第19項に規定する政令で定める認定建築物は、高齢者、身体障害者等(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律第2条に規定する高齢者、身体障害者等をいう。次項及び第31項において同じ。)が円滑に利用できるものとして自治省令で定める昇降機を設置する認定建築物とする。
法附則第32条の3第19項に規定する政令で定める特定施設は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるものとして自治省令で定める廊下、階段、昇降機及び便所とする。
法附則第32条の3第19項に規定する政令で定める部分は、前項に規定する廊下及び階段にあつては当該施設に係る事業所床面積(第56条の43第4項に規定する部分に係るものを除く。)に、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た面積に対応する部分とし、前項に規定する昇降機にあつてはその全部とし、同項に規定する便所にあつては高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるものとして自治省令で定める便房の全部とする。

区分 割合

廊下

イ 両側に居室(建築基準法第2条第4号に規定する居室をいう。)があるもの 9分の1
ロ その他のもの 3分の1

階段

イ 建築基準法施行令第23条第1項の表のに該当するもの 10分の3
ロ 建築基準法施行令第23条第1項の表のに該当するもの 2分の1
ハ 建築基準法施行令第23条第1項の表のに該当するもの 4分の3

 附則第21条第13項及び第22条第6項中「附則第16条の2の8第29項から第31項」を「附則第16条の2の8第33項から第35項」に、「附則第16条の2の8第29項」を「附則第16条の2の8第33項」に、「第18項まで」を「第19項まで」に、「同条第30項」を「同条第34項」に、「同条第31項」を「同条第35項」に、「及び第18項後段」を「第18項後段及び第19項後段」に改める。
(建設省組織令の一部改正)
3建設省組織令(昭和27年政令第394号)の一部を次のように改正する。
第9条第8号中「エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第4
9号)」を「エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)及び高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号)」に改める。
第34条第5号中「第71条第8号」を「第71条第9号」に改める。
第36条第3号中「第72条第3号」を「第72条第4号」に改める。
第68条第3号中「第72条第4号」を「第72条第5号」に改める。
第71条中第10号を第11号とし、第7号から第9号までを一号ずつ繰り下げ、第6号の次に次の一号を加える。
七 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の施行に関すること(次条第2号に規定するものを除く。)。
第72条中第4号を第5号とし、第3号を第4号とし、第2号を第3号とし、第1号の次に次の一号を加える。
二 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の施行に関する事務のうち、同法第12条に規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の特例に関すること。


高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行規則(平成6年建設省令第26号)

(特定施設)
第1条 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律 (以下「法」という。)第2条の建設省令で定める施設は、次に掲げるものとする。
一 出入口
二 廊下その他これに類するもの(第3条の表において「廊下等」という。)
三 階段(その踊場を含む。以下同じ。)
四 昇降機
五 便所
六 駐車場
七 敷地内の通路
(身分証明書の様式)
第2条 法第4条第4項の規定により立入検査をする職員の携帯する身分証明書の様式は、別記第1号様式によるものとする。(計画の認定の申請)
第3条 法第5条第1項の規定により認定の申請をしようとする者は、別記第2号様式に よる申請書の正本及び副本に、それぞれ次の表に掲げる図書を添えて、これらを都道府県知事に提出するものとする。 
図書の種類 明示すべき事項
付近見取図 方位、道路及び目標となる地物
配置図 縮尺、方位、敷地の境界線、土地の高低、敷地の接する道の位置、特定建築物及びその出入口の位置、駐車場の位置、駐車場のうち車いすを使用している者が円滑に利用できる部分の位置及び幅、敷地内の通路の位置及び幅員(当該通路が段又は傾斜路若しくはその踊場を有する場合にあっては、それらの位置及び幅員を含む。)、敷地内の通路に設けられる車いす使用者用特殊構造昇降機(建築基準法(昭和25年法律第201号)第38条の規定に基づき建設大臣が認める昇降機又は建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の3第1項第1号の建設大臣が定める基準に適合する昇降機で専ら車いすを使用している者の利用に供するものをいう。以下同じ。)、手すり及び視覚障害者を誘導し、又はその注意を喚起するための床材(以下「視覚障害者用床材」という。)の位置並びに敷地内の通路の位置
各階平面図 縮尺、方位、間取、各室の用途、床の高低、特定建築物の出入口及び各室の出入口の位置及び幅、出入口に設けられる戸の開閉の方法、人又は標識により視覚障害者に特定建築物全体の利用に関する情報提供を行うことができる場所の位置、廊下等の位置及び幅(当該廊下等が段又は傾斜路若しくはその踊場を有する場合にあっては、それらの位置及び幅を含む。)、廊下等に設けられる車いす使用者用特殊構造昇降機、特定建築物を利用する者の休憩の用に供するための設備、突出物、手すり及び視覚障害者用床材の位置、幅及び形状、階段に設けられる手すり及び視覚障害者用床材の位置、エレベーター(車いす使用者用特殊構造昇降機を除く。以下同じ。)の位置、車いすを使用している者が円滑に利用できる便房(以下「車いす使用者用便房」という。)のある便所、腰掛便座及び手すりの設けられた便房(車いす使用者用便房を除く。以下同じ。)のある便所、床置式の小便器のある便所及びこれら以外の便所の位置、駐車場の位置、駐車場のうち車いすを使用している者が円滑に利用できる部分の位置及び幅、駐車場へ通ずる出入口から当該部分に至る駐車場内の通路の位置及び幅(当該通路が段又は傾斜路もしくはその踊場を有する場合にあっては、それらの位置及び幅を含む。)並びに当該通路に設けられる車いす使用者用特殊構造昇降機の位置
縦断面図 廊下等若しくは敷地内の通路に設けられる段又は階段 縮尺並びにけあげ及び踏面の構造及び寸法
廊下等又は敷地内の通路に設けられる傾斜路 縮尺、高さ、長さ及び踊場の踏幅
構造詳細図 エレベーター 縮尺並びにかご、昇降路及び乗降ロビーの構造(かご内に設けられるかごの停止する予定の階を表示する装置及びかごの現在位置を表示する装置の位置並びにかご内及び乗降ロビーに設けられる制御装置の位置及び構造を含む。)
便所 縮尺、車いす使用者用便房のある便所の構造、車いす使用者便房並びに腰掛便座及び手すりの設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造

(計画の記載事項)
第4条 法第5条第2項第5号の建設省令で定める事項は、特定建築物の建築の事業の実施時期とする。
(認定通知書の様式)
第5条 都道府県知事は、法第5条第3項の規定により計画の認定をしたときは、速やかに、その旨を申請者に通知するものとする。
2 前項の通知は、別記第3号様式による通知書に第3条の申請書の副本(法第5条第7 項の規定により適合通知を受けて計画の認定をした場合にあっては、第3条の申請書の副本及び当該適合通知に添えられた建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第1条第1項の申請書の副本)を添えて行うものとする。
(法第6条第1項の建設省令で定める軽微な変更)
第6条 法第6条第1項の建設省令で定める軽微な変更は、特定建築物の建築の事業の実施時期の変更のうち、事業の着手又は完了の予定年月日の3月以内の変更とする。
(法第11条第1項第1号の建設省令で定める安全上及び防火上の基準)
第7条 法第11条第1項第1号の建設省令で定める安全上及び防火上の基準は、次のとおりとする。
一 専ら車いすを使用している者の利用に供する昇降機の設置に係る特定建築物の壁、柱、床及びはりは、当該昇降機の設置後において構造耐力上安全な構造であること。
二 当該昇降機の昇降路は、出入口の戸が自動的に閉鎖する構造のものであり、かつ、壁、柱及びはり(当該特定建築物の主要構造部に該当する部分に限る。)が不燃材料で造られたものであること。
(法第11条第1項第2号の建設省令で定める安全上の基準)
第8条 法第11条第1項第2号の建設省令で定める安全上の基準は、次のとおりとする。
一 昇降機のかご内及び乗降ロビーには、それぞれ、車いすを使用している者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。この場合において、乗降ロビーに設ける制御装置は、施錠装置を有する覆いを設ける等当該制御装置の利用を停止することができる構造とすること。

二 昇降機は、当該昇降機のかご及び昇降路のすべての出入口の戸に網入ガラス入りのはめごろし戸を設ける等により乗降ロビーからかご内の車いすを使用している者を容易に覚知できる構造とし、かつ、かご内と常時特定建築物を管理する者が勤務する場所との間を連絡することができる装置が設けられたものとすること。
附則
この省令は、法の施行の日(平成6年9月28日)から施行する。


高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律に基づく告示

○特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための判断基準
平成6年9月27日建設省告示第1987号

高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44号。以下「法」という。)第3条の規定に基づき、特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関し特定建築主の判断の基準となるべき事項を次のように定める。
第1 基礎的基準
特定施設(不特定かつ多数の者が利用するものに限る。)を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関し特定建築主の判断の基準となるべき事項であって、都道府県知事が法第4条第1項又は第2項の規定に基づき指導及び助言又は指示を行うに当たり勘案し、又は照らすべきものは、次のとおりとする。
一 出入口
直接地上へ通ずる出入口及び駐車場へ通ずる出入口並びに不特定かつ多数の者が利用する各室(床面積の合計が2千平方メートル未満の特定建築物の直接地上へ通ずる出入口がない階に設けられるものを除く。2において同じ。)の出入口のうち、それぞれ一以上の出入口は、次に定める構造とすること。
イ 幅は、内法を80センチメートル以上とすること。
ロ 戸を設ける場合においては、当該戸は、自動的に開閉する構造又は車いすを使用している者(以下「車いす使用者」という。)が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
ハ 車いす使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。
二 廊下その他これに類するもの(以下「廊下等」という。)
(1)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
(2)段を設ける場合においては、当該段は、三に定める構造に準じたものとすること。
(3)直接地上へ通ずる一に定める構造の各出入口又は駐車場へ通ずる一に定める構造の各出入口から不特定かつ多数の者が利用する室の一に定める構造の各出入口に至る経路のうち、それぞれ一以上の経路においては、廊下等を次に定める構造とすること。この場合において、四
(2)に定める構造のエレベーターが設置されるときは、当該一以上の経路は当該エレベーターの昇降路を含むものとすること。
イ幅は、内法を120センチメートル以上とすること。
ロ 廊下等の末端の付近の構造は車いすの転回に支障のないものとし、かつ、区間50メートル以内ごとに車いすが転回することができる構造の部分を設けること。
ハ 高低差がある場合においては、
(5)に定める構造の傾斜路及びその踊場又は車いす使用者用特殊構造昇降機(建築基準法(昭和25年法律第201号)第38条の規定に基づき建設大臣が認める昇降機又は建築基準法施行令(昭和25五年政令第338号)第129条の3第1項第1号の建設大臣が定める基準に適合する昇降機で専ら車いす使用者の利用に供するものをいう。以下同じ。)を設けること。
ニ 一に定める構造の出入口並びに四
(2)に定める構造のエレベーター及び車いす使用者用特殊構造昇降機の昇降路の出入口に接する部分は、水平とすること。
(4)直接地上へ通ずる出入口のうち一以上の出入口から人又は標識により視覚障害者に特定建築物全体の利用に関する情報提供を行うことができる場所(以下「受付等」という。)までの廊下等には、視覚障害者を誘導するための床材(周囲の床材の色と明度の差の大きい色の床材その他の周囲の床材と識別しやすい床材に限る。以下「誘導用床材」という。)を敷設し、又は音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けること。ただし、直接地上へ通ずる出入口において常時勤務する者により視覚障害者を誘導することができる場合その他視覚障害者の誘導上支障のない場合においては、この限りでない
(5)廊下等に設けられる傾斜路及びその踊場は、次に定める構造とすること。
イ 幅は、内法を120センチメートル(段を併設する場合にあっては、90センチメートル)以上とすること。
ロ 勾配は、12分の1(傾斜路の高さが16センチメートル以下の場合にあっては、8分の1)を超えないこと。
ハ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
ニ 傾斜路には、手すりを設けること。
ホ 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
ヘ 傾斜路は、その踊場及び当該傾斜路に接する廊下等の色と明度の差の大きい色とすること等によりこれらと識別しやすいものとすること。
ト 傾斜路の上端に近接する廊下等及び踊場の部分には、視覚障害者の注意を喚起するための床材(周囲の床材の色と明度の差の大きい色の床材その他の周囲の床材と識別しやすい床材に限る。以下「注意喚起用床材」という。)を敷設すること。
三 階段(その踊場を含む。以下同じ。)
不特定かつ多数の者が利用し、かつ、直接地上へ通ずる出入口がない階に通ずる階段は、次に定める構造(当該特定建築物が一般公共の用に供される自動車車庫である場合にあっては、次のイからニまでに定める構造)とすること。
イ 手すりを設けること。
ロ 主たる階段には、回り段を設けないこと。ただし、建築物の構造上回り段を設けない構造とすることが困難な場合においては、この限りでない。
ハ 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
ニ 踏面の色をけあげの色と明度の差の大きいものとすること等により段を識別しやすいものとし、かつ、つまずきにくい構造とすること。
ホ 階段の上端に近接する廊下等及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設すること。
四 昇降機
(1)不特定かつ多数の者が利用し、かつ、直接地上へ通ずる出入口がない階を有する特定建築物で床面積の合計が2千平方メートル以上のものには、かごが当該階(専ら駐車場の用に供される階にあっては、当該駐車場に車いす使用者が円滑に利用できる部分(以下「車いす使用者用駐車施設」という。)が設けられている階に限る。)に停止するエレベーターを設けること。ただし、当該階において提供されるサービス又は販売される物品を高齢者、身体障害者等が享受又は購入することができる措置を講じる場合においては、この限りでない。
(2)
(2)に規定するエレベーターは、次に定める構造とすること。
イ かごの床面積は、1・83平方メートル以上とすること。
ロ かごの奥行きは、内法を135センチメートル以上とすること。
ハ かごの平面形状は、車いすの転回に支障がないものとすること。
ニ かご内には、かごが停止する予定の階を表示する装置及びかごの現在位置を表示する装置を設けること。   
ホ かご内には、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置を設けること。
ヘ かご及び昇降路の出入口の幅は、それぞれ内法を80センチメートル以上とすること。
ト かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。
チ かご内及び乗降ロビーに設ける制御装置(トに規定する制御装置を除く。)は、視覚障害者が円滑に操作することができる構造とすること。
リ 乗降ロビーの幅及び奥行きは、それぞれ内法を150センチメートル以上とすること。
ヌ 乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる装置を設けること。ただし、かご内に、かご及び昇降路の出入口の戸が開いた時にかごの昇降方向を音声により知らせる装置が設けられている場合においては、この限りでない。
五 便所
(1)不特定かつ多数の者が利用する便所を設ける場合においては、次に定める基準に適合する便所を一以上(男子用及び女子用の区分があるときは、それぞれ一以上)設けること。
イ 車いす使用者が円滑に利用することができるよう十分な床面積が確保され、かつ、腰掛便座、手すり等が適切に配置されている便房(以下「車いす使用者用便房」という。)が設けられていること。
ロ 車いす使用者用便房の出入口及び当該便房のある便所の出入口の幅は、内法を80センチメートル以上とすること。h 車いす使用者用便房の出入口又は当該便房のある便所の出入口に戸を設ける場合においては、当該戸は、車いす使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
(2)不特定かつ多数の者が利用する男子用小便器のある便所を設ける場合においては、床置式の小便器がある便所を一以上設けること。
六 駐車場
(1)駐車場には、車いす使用者用駐車施設を設けること。
(2)車いす使用者用駐車施設は、次に定める基準に適合するものとすること。
イ 車いす使用者用駐車施設は、当該車いす使用者用駐車施設へ通ずる一に定める構造の出入口から当該車いす使用者用駐車施設に至る経路(
(3)に定める構造の駐車場内の通路又は七(1)から(3)までに定める構造の敷地内の通路を含むものに限る。)の距離ができるだけ短くなる位置に設けること。
ロ 幅は、350センチメートル以上とすること。
ハ 車いす使用者用である旨を見やすい方法により表示すること。
(3)車いす使用者用駐車施設へ通ずる出入口から車いす使用者用駐車施設に至る駐車場内の通路は、七
(1)から(3)までに定める構造とすること。
七 敷地内の通路
(1)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
(2)段を設ける場合においては、当該段は、三のイからニまでに定める構造に準じたものとすること。
(3)直接地上へ通ずる一に定める構造の各出入口から当該特定建築物の敷地の接する道若しくは空地(建築基準法(昭和25年法律第201号)第43条第1項ただし書に規定する空地に限る。以下これらを「道等」という。)又は車いす使用者用駐車施設に至る敷地内の通路のうち、それぞれ一以上の敷地内の通路は、次に定める構造とすること。ただし、地形の特殊性により当該構造とすることが著しく困難であり、かつ、直接地上へ通ずる一に定める構造の出入口から道等に至る車路を設ける場合における当該出入口から道等に至る敷地内の通路については、この限りでない。
イ 幅員は、120センチメートル以上とすること。
ロ 高低差がある場合においては、
(5)に定める構造の傾斜路及びその踊場又は車いす使用者用特殊構造昇降機を設けること。
(4)特定建築物(一般公共の用に供される自動車車庫を除く。)の直接地上へ通ずる各出入口から道等に至る敷地内の通路のうち、それぞれ一以上の敷地内の通路は、次に定める構造とすること。
イ 誘導用床材を敷設し、又は音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けること。
ロ車路に接する部分、車路を横断する部分並びに傾斜路及び段の上端に近接する敷地内の通路及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設すること。
(5)敷地内の通路に設けられる傾斜路及びその踊場は、二
(5)のイからホまでに定める構造とし、かつ、傾斜路は、その踊場及び当該傾斜路に接する敷地内の通路の色と明度の差の大きい色とすること等によりこれらと識別しやすいものとすること。第二 誘導的基準
特定施設(不特定かつ多数の者が利用するものに限る。)を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするための措置に関し特定建築主の判断の基準となるべき事項であって、都道府県知事が法第5条第3項の規定に基づき計画の認定を行うに当たり当該計画が適合すべきものは、次のとおりとする。
一 出入口
(1)直接地上へ通ずる出入口及び駐車場へ通ずる出入口は、次に定める構造とすること。ただし、当該構造の出入口に近接した位置に設けられる出入口については、この限りでない。
イ 幅は、内法を90センチメートル以上とすること。この場合において、1以上の直接地上へ通ずる出入口の幅は、内法を120センチメートル以上とすること。  
ロ 戸を設ける場合においては、当該戸は、幅を内法で120センチメートル以上とする直接地上へ通ずる出入口のうち一以上の出入口にあっては自動的に開閉する構造とし、その他の出入口にあっては車いす使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
ハ 車いす使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。
(2)不特定かつ多数の者が利用する室の出入口は、次に定める構造とすること。ただし、当該構造の出入口に近接した位置に設けられる同一の室の出入口については、この限りでない。
イ 幅は、内法を90センチメートル以上とすること。
ロ 戸を設ける場合においては、当該戸は、自動的に開閉する構造又は車いす使用    者が円滑に開閉して通過できる構造とし、かつ、開閉により当該戸の一部が廊下等の当該戸がある側の壁面線を越えない構造のものとすること。
ハ 車いす使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。
二 廊下等
(1)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
(2)段を設ける場合においては、当該段は、三に定める構造に準じたものとすること。
(3)直接地上へ通ずる一
(1)に定める構造の各出入口又は駐車場へ通ずる一(1)に定める構造の各出入口から不特定かつ多数の者が利用する室の一(2)に定める構造の各出入口に至る経路においては、廊下等を次に定める構造とすること。
イ 幅は、内法を180センチメートル(廊下等の末端の付近及び区間50メートル以内ごとに二人の車いす使用者がすれ違うことができる構造の部分を設ける場合にあっては、140センチメートル)以上とすること。
ロ 高低差がある場合においては、
(5)に定める構造の傾斜路及びその踊場又は車いす使用者用特殊構造昇降機を設けること。
ハ 一に定める構造の出入口並びに四
(2)又は(3)に定める構造のエレベーター及び車いす使用者用特殊構造昇降機の昇降路の出入口に接する部分は、水平とすること。
ニ 壁面には、原則として突出物を設けないこと。やむを得ず突出物を設ける場合においては、視覚障害者の通行の安全上支障が生じないよう必要な措置を講ずること。
ホ 特定建築物を利用する者の休憩の用に供するための設備を適切な位置に設けること。
(4)直接地上へ通ずる出入口(複数の出入口が近接した位置に設けられる場合にあっては、そのうちの一以上の出入口)から受付等までの廊下等には、誘導用床材を敷設し、又は音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けること。ただし、直接地上へ通ずる出入口において常時勤務する者により視覚障害者を誘導することができる場合その他視覚障害者の誘導上支障のない場合においては、この限りでない。
(5)廊下等に設けられる傾斜路及びその踊場は、次に定める構造とすること。
イ 幅は、内法を150センチメートル(段を併設する場合にあっては、120センチメートル)以上とすること。
ロ 勾配は、12分の1を超えないこと。
ハ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
ニ 傾斜路が同一平面で交差し、又は接続する場合においては、当該交差又は接続する部分に踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
ホ 傾斜路には、両側に手すりを設けること。
ヘ 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
ト 傾斜路は、その踊場及び当該傾斜路に接する廊下等の色と明度の差の大きい色とすること等によりこれらと識別しやすいものとすること。
チ 傾斜路の上端に近接する廊下等及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設すること。
三 階段
不特定かつ多数の者が利用し、かつ、直接地上へ通ずる出入口がない階に通ずる階段は、次に定める構造(当該特定建築物が一般公共の用に供される自動車車庫である  場合にあっては、次のイからトまでに定める構造)とすること。
イ 幅は、内法を150センチメートル以上とすること。
ロ けあげの寸法は、16センチメートル以下とすること。
ハ 踏面の寸法は、30十センチメートル以上とすること。
ニ 両側に手すりを設けること。
ホ 主たる階段には、回り段を設けないこと。
ヘ 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
ト 踏面の色をけあげの色と明度の差の大きいものとすること等により段を識別しやすいものとし、かつ、つまずきにくい構造とすること。
チ 階段の上端に近接する廊下等及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設すること。
四 昇降機
(1)不特定かつ多数の者が利用し、かつ、直接地上へ通ずる出入口がない階を有する特定建築物には、かごが当該階(専ら駐車場の用に供する階にあっては、当該駐車場に車いす使用者用駐車施設が設けられている階に限る。)に停止するエレベーターを設けること。
(2)
(1)に規定するエレベーターのうち一以上のものは、次に定める構造とし、かつ、当該エレベーターを主たる廊下等に近接した位置に設けること。
イ かごの床面積は、2.09平方メートル以上とすること。
ロ かごの奥行きは、内法を135センチメートル以上とすること。
ハ かごの平面形状は、車いすの転回に支障がないものとすること。
ニ かご内には、かごが停止する予定の階を表示する装置及びかごの現在位置を表示する装置を設けること。
ホ かご内には、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置を設けること。
ヘ かご及び昇降路の出入口の幅は、それぞれ内法を90センチメートル以上とすること。
ト かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。
チ かご内及び乗降ロビーに設ける制御装置(トに規定する制御装置を除く。)は、視覚障害者が円滑に操作することができる構造とすること。
リ 乗降ロビーの幅及び奥行きは、それぞれ内法を180センチメートル以上とすること。
ヌ 乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる装置を設けること。ただし、かご内に、かご及び昇降路の出入口の戸が開いた時にかごの昇降方向を音声により知らせる装置が設けられている場合においては、この限りでない。
(3)
(1)に規定するエレベーターのうち(2)に定める構造のエレベーター以外のものは、第一の四(2)のイからハまで、ヘ及びリに規定する構造とすること。 
五 便所
(1)不特定かつ多数の者が利用する便所を設ける階(専ら駐車場の用に供される階にあっては、当該駐車場に車いす使用者用駐車施設が設けられている階に限る。)には、次に定める基準に適合する便所を設けること。
イ 当該階に設けられる車いす使用者用便房の数は、当該階に設けられる便房の総数が200以下の場合にあっては、その総数に50分の1を乗じて得た数以上とし、当該階に設けられる便房の総数が200を超える場合にあっては、その総数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上とすること。
ロ 車いす使用者用便房の出入口及び当該便房のある便所の出入口の幅は、内法を80センチメートル以上とすること。
ハ 車いす使用者用便房の出入口又は当該便房のある便所の出入口に戸を設ける場合においては、当該戸は、車いす使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
ニ 車いす使用者用便房のない便所は、車いす使用者用便房のある便所に近接した位置に設けること。ただし、車いす使用者用便房のない便所に腰掛便座及び手すりの設けられた便房が一以上ある場合においては、この限りでない。
(2)不特定かつ多数の者が利用する男子用小便器のある便所を設ける階には、床置式の小便器がある便所を一以上設けること。六 駐車場
(1)車いす使用者用駐車施設の数は、駐車場の全駐車台数が二百以下の場合にあっては、当該駐車台数に50分の1を乗じて得た数以上とし、全駐車台数が200を超える場合にあっては、当該駐車台数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上とすること。
(2)車いす使用者用駐車施設は、次に定める基準に適合するものとすること。
イ 車いす使用者用駐車施設は、当該車いす使用者用駐車施設へ通ずる一に定める構造の出入口から当該車いす使用者用駐車施設に至る経路(
(3)に定める構造の駐車場内の通路又は七(1)から(3)までに定める構造の敷地内の通路を含むものに限る。)の距離ができるだけ短くなる位置に設けること。
ロ 幅は、350センチメートル以上とすること。
ハ 車いす使用者用である旨を見やすい方法により表示すること。
(3)車いす使用者用駐車施設へ通ずる出入口から車いす使用者用駐車施設に至る駐車場内の通路は、七
(1)から(3)までに定める構造とすること。
七 敷地内の通路
(1)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
(2)段を設ける場合においては、当該段は、三のイからトまでに定める構造に準じたものとすること。
(3)直接地上へ通ずる一
(1)に定める構造の各出入口から道等又は車いす使用者用駐車施設に至る敷地内の通路は、次に定める構造とすること。ただし、地形の特殊性により当該構造とすることが著しく困難であり、かつ、直接地上へ通ずる一(1)に定める構造の出入口から道等に至る車路を設ける場合における当該出入口から道等に至る敷地内の通路については、この限りでない。
イ 幅員は、180センチメートル以上とすること。
ロ 高低差がある場合においては、
(5)に定める構造の傾斜路及びその踊場又は車いす使用者用特殊構造昇降機を設けること。
(4)特定建築物(一般公共の用に供される自動車車庫を除く。)の直接地上へ通ずる各出入口から道等に至る敷地内の通路は、次に定める構造とすること。
イ 誘導用床材を敷設し、又は音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けること。
ロ 車路に接する部分、車路を横断する部分並びに傾斜路及び段の上端に近接する敷地内の通路及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設すること。
(5)敷地内の通路に設けられる傾斜路及びその踊場は、二
(5)のイ及びハからヘまで並びに次のイ及びロに定める構造とすること。
イ 勾配は、15分の1を超えないこと。
ロ 傾斜路は、その踊場及び当該傾斜路に接する敷地内の通路の色と明度の差の大きい色とすること等によりこれらと識別しやすいものとすること。
附則
この告示は、法の施行の日(平成6年9月28日)から施行する。

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