(社)日本建築家協会近畿支部法令業務情報   ホームに戻る

JIAが関係していた環境問題への取組ための決意表明は下記の通りです。

環境共生の設計手法の開発・普及のためにサスティナブルデザインガイドブックを刊行しています。(詳しくは発刊図書の欄をご覧下さい)


共同声明
日本建築家協会(*声明当時の団体名称は新日本建築家協会
米国建築家協会
1991年10月25日

環境の保全は現在人類が直面する最も重要な課題の一つである。
建築家は、その日常業務を通じて得られる環境との密接な関係により、環境保全と省エネルギーの問題解決について深く責任を負うものである。
新日本建築家協会(JIA)と米国建築家協会(AIA)は共にこの基本的信念に立ち、両団体及びその会員間で、この重要かつ価値ある目標に向かって、相互のコミュニケーションと協力を拡大することに合意する。
特に、JIAとAIAは環境の保全及び改善に関する技術情報を、共同して、あるいは、個別に交換するために、定期的に会合または会議を開催し、建築におけるエネルギー保全を促進し、それぞれの会の中に環境委員会を設置し、その他、ここに述べた原則を実現するために有益と思われる必要な活動を行うことについて合意する。


持続可能な未来のための相互依存宣言(シカゴ宣言)

UIA/AIA建築家世界会議・シカゴ・93年6月18日〜21日

●以下の認識に基づき

すべての生きとし生けるものの為に、将来に亙って自然と文化とを回復し、保存し、向上させるのが、持続可能な社会である。健全な社会にとって、変化に富んだ健全な環境が本質的な価値をもち、必須のものである。今日の社会は、深刻な環境の質の低下を招いており、持続可能なものではない。

我々人間は、自然環境全体と生態的な相互依存関係にある。また社会的、文化的、経済的に全人類が相互依存関係を持っている。こうした相互依存関係のもとにあって、あらゆる関係者間のパートナーシップと平等性とバランスとが持続可能性にとって不可欠の条件である。

人間が自然環境と生活の質を向上させる上で、建築物と建築環境は、主要な役割を果たすものである。資源とエネルギー効率への配慮、健全な建築と材料、生態系と社会に配慮した土地利用、そしてインスピレーションと確信と品格を与える美的感性、こうしたものを統合するのが持続可能な設計である。人間が自然環境に与える悪影響は、持続可能な設計により大幅に軽減することが可能であり、それは同じに生活の質の向上と経済的利益の向上にもつながる。

●我々は責任をもって、以下に掲げる事項に取組む。
 世界の建築及び建築デザインに携わる職能人のメンバーとして、個人または団体を通じて、

・環境及び社会の持続性を、我々の実務と職能的責任の中核に位置付ける。
・持続可能な設計を実施するための、建築の実務、実施手続き、生産物、カリキュラム、サービス及び基準を開発し、かつ継続的にこれらを改善する。
・建築職能人の仲間及び建設業界、顧客、学生そして一般市民に対して、持続可能な設計のもつ決定的な重要性と実際上の可能性について教育する。
・持続可能な設計が通常のやり方となるような政策と規制及び実施手法を、政府及びビジネスレベルで確立する。
・建築環境のもつ現在及び将来の全要因を、設計、生産、利用、再利用の各段階において、持続可能な設計の基準に引き上げる。


神戸宣言’93

私たちJIA会員は「伝統と現代建築」をテーマに掲げた神戸大会を「持続可能な社会」を実現するための起点として位置付け次のように宣言する。

1.環境倫理に則して行動し、生きながらえる建築をつくる。
2.環境と調和し、環境負荷の少ない設計手法を開発し、普及する。
3.環境を考慮した建築の学習と教育を推進する。