〈自己表象〉誕生の文化史的研究 |
博士(文学)、筑波大学、2001年3月23日、博甲第2475号 |
[目次] 凡例 序 章 〈私小説起源論〉をこえて 0・1 〈自分を描く〉ということ 0・2 先行する評価群の整理 0・3 〈私小説起源論〉の諸種 0・3・1 古典的〈私小説起源論〉 0・3・1・1 「蒲団」史観 0・3・1・2 近代的自我史観 0・3・1・3 日本的心性論 0・3・2 「私小説」の歴史的条件を指摘するもの 0・4 批判と超克 0・5 内容の概観 第I部 〈自己表象〉の文化史 第1章 メディアと読書慣習の変容 1・1 作品・作家情報・モデル情報の相関──明治三〇年代── 1・1・1 『新声』と新声社の活動 1・1・2 作家情報と作品の交差 1・1・3 題材/モデル情報と作品の交差 1・1・4 作家情報と題材/モデル情報 1・2 「モデル問題」とメディア空間の変動──明治四〇年代── 1・2・1 はじめに 1・2・2 「モデル問題」の射程 1・2・3 「モデル問題」の顛末 1・2・4 「モデル問題」のもたらしたもの 第2章 「蒲団」の読まれ方と小説ジャンルの境界変動 2・1 はじめに 2・2 〈身辺小説〉の流行と〈自己表象テクスト〉の登場 2・3 「蒲団」の読まれ方 2・4 小説ジャンルの境界変動 2・5 〈自己表象テクスト〉の出発 2・6 まとめ 第3章 〈文芸と人生〉論議と青年層の動向──「人生観上の自然主義」という思想── 3・1 はじめに 3・2 〈文芸と人生〉論議の推移 3・3 青年たちの〈文芸と人生〉 3・4 「人生観上の自然主義」という思想 3・5 まとめ 第4章 〈自己〉を語る枠組み 4・1 〈自我実現説〉と中等修身科教育 4・1・1 はじめに 4・1・2 〈自我実現説〉とは何か 4・1・3 中等修身科教育と〈自我実現説〉 4・1・4 〈自己〉を語る枠組みの形成 4・1・5 まとめ 4・2 日露戦後の〈自己〉をめぐる言説 4・2・1 「二潮交錯」 4・2・2 〈自己〉論の三つの系統1 自己の文芸論 4・2・3 〈自己〉論の三つの系統2 自己の描写論 4・2・4 〈自己〉論の三つの系統3 自己の探求論 4・2・5 〈自己〉論の隆盛と〈自己表象テクスト〉 第5章 小結──〈自己表象〉の誕生、その意味と機能 5・1 小結 5・2 〈自己表象〉の再評価へ向けて 5・3 〈自己表象〉の意味と機能 第II部 〈自己表象〉と明治末の文化空間 第6章 自画像の問題系──東京美術学校『校友会月報』と卒業製作制度から── 6・1 はじめに──自分を描く小説と絵画 6・2 東京美術学校西洋画科の卒業製作制度 6・3 絵画の読み方──作品と「人格」 6・4 〈自己〉への関心の広がり──校友会文学部と同時代の動向 6・5 おわりに──〈自画像の時代〉へ 第7章 帰国直後の永井荷風──「芸術家」像の形成── 7・1 はじめに 7・2 読書の慣習と新帰朝者 7・3 『あめりか物語』から『ふらんす物語』へ 7・4 『歓楽』 第8章 〈翻訳〉とテクスト生成──舟木重雄「ゴオホの死」をめぐって── 8・1 〈ゴッホ神話〉の形成 8・2 〈神経衰弱小説〉の系譜 8・3 「ゴオホの死」における〈翻訳〉 8・4 結び 結 章 9・1 〈自己表象〉の射程 9・2 積み残した課題 補 論 文芸用語としての「モデル」・小考──新声社と无声会── 引用参考文献 私小説研究 主要文献目録 各章その他参考文献 初出一覧 |