きのこのおつゆの作り方




10年前、大学のサイクリング部員だった私は、合宿で白樺湖のユースホステルに宿泊したことがある。秋のシーズンで素晴らしい景色を味わいながらのスポーツサイクルはとても爽快だ。その日も八ヶ岳の紅葉を楽しみながら、おなかを空かしてユースにたどり着いたのだった。

ユースホステルの夕食といえば、簡素な内容の食事であることが多いのだが、ここの食事はよかった。きのこが入ったなべが出てきたのだ。確か、エノキタケとヒラタケ(栽培品)が入っていた。ほかには豚肉と白菜。これにしょう油味の汁。中身はたいしたことはないのだが、それぞれの具が調和した素晴らしい味を醸し出している。どうしてこんなにおいしいのだろう・・・と鍋を観察しながら食べたのを覚えている。

この鍋が忘れられずに、後日オフクロに説明して作ってもらったところ、あっさりと同じものができあがった。しかし簡単にできてもやはりうまい。その作り方はこうである。

まず、鍋に湯をわかし、きのこをどっさり入れる。クセのないきのこなら何でもよいように思うが、野生のきのこなら、ヒラタケ・エノキタケ(真冬に出るしっかりしたやつが特によい)がおすすめだ。ホテイシメジやチャナメツムタケでもおいしいし、試したことはないが、ナラタケでもきっとおいしいだろう。次に豚小間を入れ、さらに白菜をどっさり入れる。煮立ったら酒を(好みの量だが)どぼどぼ入れ、しょう油で適当な濃さに味付けする。濃いだしが好みの人は、あらかじめこんぶでだしをとってから作るとよいと思う。あとは30分ほどことことと煮込んで、あくをすくえばできあがり。必ず七味とうがらし(できれば作りたてのもの)をかけていただく。






























できあがりはこんな感じ。いなか風のきのこ汁かな。



このきのこ汁は具のハーモニーがよく最高のうまさなのである。ごはんにかけて汁かけごはんにすると素晴らしいし、うどんにかけてきのこうどんにしてもおいしいのである。一日たってもおいしさは変わらないし、何しろ作るのが簡単である。野生のきのこでなくとも作れるので、ぜひともお試しあれ。売っているきのこで作るときは、ヒラタケ+エノキタケが一番いいと思います(ブナシメジだと味が足りないと思う。好みだが・・・)。

(Dec 7, 1999)