ブナシメジが・・・




11月13日、天気快晴。こんな土曜日は朝からきのこ狩りに限る。前々日の雨の恩恵を受けて、エノキタケやヒラタケがぐーんと伸びていることだろう。期待に胸をふくらませ、いつもより多く紙袋をリュックにつめて出発。愛車(自転車)、「カサ号」の足取りも軽く、「第二きのこ場」へ。

ここは不要になった丸太が積んである場所で、どうも近くの用材屋さんから出た廃材がおいてあるようだ。以前にここでエノキタケをとったことがあるので、今回もエノキタケねらいである。11月を過ぎればエノキタケねらいで収穫ゼロということはない。必ずどこかでとれるのだ。わくわくと期待しながら現場に近づくと、なんとウスヒラタケが出ているではないか。

これはいいぞと、ウスヒラタケをていねいに収穫していると、丸太の間から巨大な白い物体が見えている。ううっ。何だこりゃ。シメジ型だぞ。でも真っ白だ。

あまりにも巨大なその株は、一株10本ほどで数百グラムはあった。しかし思い当たる菌はない。何だろう・・・。考えあぐねてみていると、カサの中心にうっすらと水玉模様(大理石模様)がある。とすると・・・ブナシメジ! しかし信じられない。八王子でブナシメジとは。でも匂いも似ているし柄の繊維質なところもよくにている。あまりにも大きいから信じられないだけだ。そうだ、ブナシメジだ、と自分に言い聞かせて納得することにした。この間、およそ1分間。

しまった! 写真撮り損ねた! 気づいてももうおそしである。いつもこれなのである。どうも私は大きなきのこを見つけると無我夢中になって収穫してしまう。撮るよりも採ることを考えてしまうのである。それに収穫したものを撮影しても何だかおもしろくない。きのこの写真は、"現場を押さえる"ところに醍醐味があると思っている。あーあ、残念だ。

ということで「八王子のブナシメジ」の画像はお見せすることができないのである。なお、このきのこ、詳細に調べてもやはりブナシメジという結論に達し、夕方には鍋物の具としてポン酢しょうゆでいただいた。翌夕にはすき焼きの具として食べたのだが、どちらにしてもソフトな口当たりで美味であった。どんな料理でも合うようである。



(Dec 3, 1999)