きのこは花粉症にきくのかな?




自炊をはじめてからというもの、夕飯の支度がじつに楽しい。好きなものを作ってたべればよいし、いろいろと自在の工夫ができる。ガキの頃に、夕食の準備を手伝うのはそれほど楽しかった記憶はないから、人間、ずいぶん変わるものだ。

で、当然ながらいつもきのこを食べることになる。スーパーでも八百屋でも、まずきのこ売場を先に見る。おっ、ここはヒラタケがあるぞ、とか、ここのシイタケは国産なのに安いぞ、とか、筆者のきのこ狩りは八王子の野山にとどまらない。

買ってきたきのこは特に前処理の必要もなく、そのまま使えばよいので実に便利である。天然物の風味には及ばないにしても、年中マイタケ・シイタケ・エノキタケ・ナメコがパックを開ければすぐに食べられるのだから、生産者の皆様には感謝の限りである。筆者の食卓では、これらのきのこは、炒め物・サラダ・吸い物・ごはん・味噌汁と何にでも登場する。肉ときのこをオイスター風味で仕上げたり、焼きそばにエノキタケを入れたりもする。ほぼ毎食、どこかにきのこが入っているのだ。

そんな生活がしばらく続いた後、何となく体調に変化があらわれたような気がする。具体的にどうこうと言うことはないのだが、身体が丈夫になったようだ。まず、風邪をひかなくなったのである。いや、ひくことはあるのだが、経過が非常に早くなった。ばーっと熱が出たかと思うと、コロリと治ってしまう。驚いたのは、長年悩まされてきた花粉症の症状が非常に軽くなったことだ。もう二十年も悩まされてきた花粉症だが、きのこを積極的に食べはじめてから、クスリを内服することはなくなり、目薬もシーズン中に必要なだけになった。もしきのこのおかげなら快挙である。

筆者が普段よく食べるシイタケ・エノキタケはいずれも薬効があることが知られている。臨床的には腫瘍を小さくする効果があるというし、中国でも内蔵を丈夫にする食品として利用されてきたという。エノキタケ栽培農家では、ガンの罹患率が有意に低いそうだ。専門家の研究によると、エノキタケやシイタケの抗腫瘍効果は、身体の免疫力を増大させることによるものだそうである。だとするならば、他にも、複数種の細胞間の活性バランスを調整する役割もあるなど、体調を整える多種多様な効果が知られているそうである。ならば風邪や花粉症に効くというのも理論的にあり得ることかもしれない。趣味のきのこ狩りが健康増進にも役立つ。うまく出来過ぎた話だが、少なくとも筆者にとってはそれはまぎれもなく真実なのである。


(Feb 4, 2001 revised ver. Mar 4, 2001)