表紙のきのこ




表紙のきのこは「イヌセンボンタケ」だ。だいたい植物の名前にイヌが付くと「役立たず」の意味になるのだが(イヌザンショウとか),きのこの場合も同じようだ。でも役になどたたなくていい。このきのこには独特の美しさがあるのだ。

気ままに高尾山や八王子の丘陵地帯を散歩していると,ときおり,このきのこの群生に出会う。梅雨時ならいろいろなところに出るのだが,それ以外のシーズンは藪の中や沢筋の比較的湿り気のあるところに出る。倒木や杭などの地面すれすれのところに出ることが多いのだが,数百〜数千本クラスの新鮮な群生に出会うとそれはそれは見事なものである。いつまでも見ていたくて,なかなか立ち去れないくらいだ。

表紙のきのこは,デジカメを新調してテストがてらに散歩していたときに偶然出会ったものだ。砂質の地面に枯れ木が埋もれ,その上にコケが生えている。みどりと白のコントラストが実に鮮やかで美しい。小躍りした私はデジカメを地面すれすれに置いて撮影を試みた。それが表紙のきのことなったのである。

この画像,けっこう好評なようで何度がお褒めの言葉をいただいた。メールを下さった方々もおられる。そこでより原画に近い画像を掲載することにした。ダウンロードしてお好みの大きさに加工して楽しんで欲しい。妖精の世界のような美しいきのこを見て自然に想いを馳せる,そんな豊かな時間のお手伝いができればと思っている。

(Mar 14, 2003)





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