11日、ROVO@RIPPLE。静かな演奏が徐々に高揚し、臨界点に達したまま持続する。日曜日21時開演という禁欲的な時間帯であることを忘れさせる、スリリングでエキサイティングなライヴ。 ROVOの魅力は、その並はずれた上昇力(0から10までのメーターがあるとすれば、そのメーターをカウントするかのように加速する演奏)にあると思う。しかし、私が後方で観ていたからかもしれないが、他のオーディエンスはそう感じている人ばかり、でもないようだった。先のメーターで言えば、4から8くらいの間でしか楽しんでいないような人が多く、静かな1から3ではおしゃべりが、これでもかこれでもかと上昇していく9から10では人の出入りが、頻繁にみられた。楽しみ方・聴き方は人それぞれだが、4から8のレンジを期待するなら別にROVOじゃなくてもいいのにね。その点は非常にもったいないと思った。 ライヴ終了後は大友良英 produces さがゆき sings 『See You in a Dream』(Amazon)の「夢で逢いましょう」(山本精一とのデュエット)を聴きながらの帰宅。ちなみに今回のライヴ、山本さんの姿を今観なければ、という変な義務感のもとに足を運んだものである(自分の中では五七忌)。
12日、大友良英@store 15nov。前半はターンテーブル、後半はアコースティックギターソロ。前半ターンテーブルは、初体験ということもあり、次にどんな音が出てくるのかが想像つかないそのパフォーマンスに終始圧倒される。ノイズミュージックはランナーズハイと同じ、ある瞬間から途端に気持ちよいものとなるもので、これを部屋で聴いているとハイ状態に達するまでしばらくの時間がかかったりするが、目の前でのパフォーマンスが繰り広げられるとあっという間に到達できることが分かった。また同時に、ノイズとはサウンドアートではなくパフォーマンスであり、さらに聴くものではなく感じるものだということを実感した。 後半のギターソロはサントラ曲が中心。「風花」「ごめん」「青い凧」「カナリヤ」に、Ornette Coleman 「lonely woman」他2曲、という構成。「風花」は明らかに今回の個人的ハイライトであり、この曲を生で聴けたのが何よりも嬉しかった。ギター演奏の技巧的なところは分からないが、メロディーを奏でながらその残響までをもトリートメントする彼の手法は、前半のターンテーブルパフォーマンスと通じるものがあるような気がする。「風花」の没テイクの数、「カナリヤ」で使用したバスマリンバ、「青い凧」のサントラを引き受けるまでの経緯、など興味深い話が多く聞かれたMCも含め、個人的に収穫多いライヴだった。 終演後、外に出ると雪。ライヴの素晴らしさをかみしめつつ、前日と同様『See You in a Dream』より「生きているということは」を聴きながら帰途につく。 |