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10/25/2005*

北村大沢楽隊 『疾風怒濤!!!』 北村大沢楽隊 『疾風怒濤!!!』(Amazon)。旧河南町(現石巻市)で活動する平均年齢70歳超ブラスバンドの初録音盤。

 バタバタと叩くだけのケイス/ゴロス、調子はずれの管楽器。ハッキリ言って上手い演奏ではない(というか下手だ)が、あたかもBeefheartがチンドンの世界に足を突っ込んだような、そんな破綻の美学に富んだ演奏は、かなりの衝撃を持って耳に届いてくる。そして、その演奏の聴き方、作品(パッケージ)に対する接し方が客観から主観へと変わるとき、先の衝撃も別なモノへと変容し、自分がいかに恥ずかしい聴き方をしていたのかを、徐々に気づかせてくれる。

 本作について感じたことは、いろいろ、たくさんあります。でもいざ書いてみようとすると、これがなかなか難しい。面白い作品であることは確かなのだが、それを面白いと表現するだけでは何か物足りなく、違和感も残る。もっとも、このモヤモヤを"違和感"という言葉で表現すること自体、違和感が残るわけで、もうこうなってくると北村大沢楽隊を聴いてない人からすれば何のこっちゃ分からない文章にしかなりえなくなる。

 この"モヤモヤとした得体の知れない何か"は多くの人が感じているようで、FMNのbbsにて石橋正二郎氏と田口史人氏(8月下旬からのログを参照)が、mapupにて小田晶房氏が、そのモヤモヤ感を見事に言語化しています(これらの発言を読むと、ミュージックマガジンにおける中村とうよう氏の0点という評価も、どう言葉にしたのかが異なるだけで、違和感持ったという点において石橋氏・田口氏・小田氏と基本的には同じじゃないか、とも思えてくる)。ただ、これら言語化されたモヤモヤ感と私のそれとは微妙に異なる部分もある。

 彼らの居る旧河南町は、車で行けば一時間とかからない、近隣と言って良い場所です。そんな近隣で鳴らされている音楽を、客観的に、あたかも地球の裏側の民族音楽を聴くかのように、面白がって聴いていいのだろうか、と。そしてさらには、そもそもその地球の裏側の民族音楽をはじめとするすべての音楽に対して、脳天気に楽しんでいた自分はなんだったのだろうか、と。このパッケージを聴いていると、まるで叱責を受けているようで、そんないたたまれない気持ちになるのです。北村大沢楽隊の音楽が旧河南町という近隣で鳴っていたという事実。私のモヤモヤ感はこの事実によるところが大きいような気がします。

 以下は余談。このような楽隊が余所にもあるのか、あるいは河南町だけのものなのかは分からないが、もし後者であるならば、斎藤善右衛門という人物が何かしら関与しているような気がしてならない。はたして、真相はいかに。



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