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10/11/2005*

  9日、昨日の疲れが残り、体中が筋肉痛。昼過ぎからメディアテーク。7階で『不良少年』を返却し、川島雄三監督作品 『雁の寺』を借りる。14時からはスタジオシアターにて成瀬巳喜男監督作品 『噂の娘』を鑑賞。60分弱の尺ながらも奥行きある内容で、時間以上の満足感あり。丁寧に作り込まれているというのがひしと伝わってくる佳作。
 上映後は今回の成瀬特集の関連イベント、山根貞男蓮實重彦の特別対談。前半は、成瀬作品リヴァイヴァル上映に関する二人の思い出話、後半からは、サイレントを通過したからこそ成し得た成瀬の映画技法を丁寧に解説。的確な観点での考察、よりも、さまざまなエピソードを語る映画ファンとしての二人の姿にグイグイと引き込まれる。2時間以上にも及ぶこの対談は両氏のオススメで〆。ちなみに、山根氏は『三十三間堂通し矢物語』、蓮實氏は『まごころ』を観て欲しい、とのことでした。
 対談終了後、メディアテークから駅まで歩く。街中はYOSAKOIだらけ。別に踊るのは結構なことだと思うが、この横並びの、シンセサイザーバリバリの、お手軽な音楽の垂れ流しにはちょいと堪えられない。ディテールが甘い、いや甘いというレベルではなく、そもそもディテールなど存在しない、カタチばかりの音。悪いとは思いつつも、サティアンをユートピアとした某宗教団体の貧困な構想力と重ね合わせてしまう。

 10日、筋肉痛はまだ取れず。今日もメディアテークにて成瀬巳喜男作品を鑑賞。一昨日までは、夕刻からの『旅役者』を観ようと思っていたのだが、昨日の蓮實氏の話を聞いて昼過ぎの『まごころ』を。大人のドロドロとした世界と子どもの純粋な世界とがシンクロし、ラストではフランス人形という小道具とともに両者が純化。大人の事情を十分理解しているようないないような、そんな子どもの微妙な感情の描き方が見事。ちょうちんブルマにおかっぱ頭という、高野文子の漫画から出てきたような女の子も可愛らしくてたまらない。んー確かに、これは素晴らしい作品だわ。
 そういえば、前日蓮實氏はこの作品に関するコメントの中で「阿部和重が観たら大変なことになるかもしれない」と言っていた。阿部氏に関してはうさちゃんピースの人としてしか認識がなく、笑えるようでいまいち笑えなかったのが残念なところ。『グランド・フィナーレ』(Amazon)くらい、読んでおこうかな。



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