(匿名で出した投稿文です。今だからこうして出しても許されるかなと・・・・)

                                  1989年3月2日朝日新聞「声」より

【夫からの長い手紙】

最近の主婦がパートにでる事が多くなったのを目の当たりにして
私も1人取り残されたような気になり、また自分の小遣いくらいは
稼ぎたいと思っていたとき、事務の仕事が舞い込み、チャンスとばかり
引き受けた。

夫の意見は聞かないままだった。
幸い子供達は洗濯の取り入れ、ご飯のスイッチなど引き受けて
くれ、私も初めての勤務に張り切っていた

1,2週間過ぎた頃、主人の言葉が少なくなって入るのに気づいた
私も一生懸命やってるのに、何が不服かしらと、とにかく自分の
仕事はこなしてきた

3週間を過ぎたある日、主人が寝床を別に移し、全く言葉を
交わさなくなった。悩んだあげく友人に相談すると
「お金とご主人どちらが大切か考えたこと有るの?
ご主人と一生居たいと思ったら仕事は辞めるべきよ」と
はっきり言われた

主人が私が働くことに賛成してないことは,最初から感じていた
私は会社に「子供がまだ1人で留守番が出来ないので」と
うそを言って、1ヶ月で辞めてしまった

その後主人は私に長い手紙を書いて渡してくれた
「自分が小さい頃、父が亡くなり、母親が働いていたので
何時も自分は母の居ない家で寂しい思いをした
せめて自分の子供にはそのような思いをさせたくない
お金が必要ならば、男の自分がなんとでも都合をつける」などと・・・

読みながら涙が出て仕方なかった
私はお金より大切な真実を知ったのです

             朝日新聞『声』・・・テーマ談話室【お金】より

(これは静岡の某銀行の社内報にも載せていただきました
              「お金」というテーマで一冊の本として出版されてます
          

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