帰省・・・母との6日間

 

《11月19日》

退院した母の様子が気になりながらの毎日でしたが、やっと今日は戻ります
母に伝えたのは3日前だった。びっくりしながら嬉しそうな声だった

飛行場へ行き、Web上で申し込んであった私は安心してカードを入れたところ
「予約ありません・・・」との字が。(゚◇゚)~ガーン
「又新規に申し込んでください。しかし、今日は満席のようです」

母の顔がちらちらしながら、急ぎカウンターへ
「取れました」その言葉でほっとしてそのまま中へと急ぎました
どうして取れてなかったか?分からないままの今日の飛行機はなんとかセーフ

飛行場へ着き、母へ電話すれども全然繋がらない
「何かあったのかな・・」そんな心配もしながらレンタカーへ行き,車で帰宅
飛行場からは15分くらいで帰れます。信号もないし・・・

夕方の6時はもうあたりは真っ暗です
そんな中、母は懐中電灯を持って道路まででて待っててくれてました
寒いこの時期に30分以上は居たのでしょう。有り難いことです

「通りがかりの人が、寒いから帰った方がいいと何度も云われた」母が言います
そんなこともお構いなしに、ずーっと待ってたよう
いつものことですが、これが母の優しさ。そう思いながら・・・・

帰りに買い物をして帰ったので、そのまま夕食の仕度
大好きなさしみも買ってきました。母は「おいしい」とよく食べています
「1人じゃ美味しくないからなー」そう言いながら

少し足が弱ってる様子が見てて痛ましいですが、仕方ないのかも
次の動作に移るのが大変。「ゆっくりしなさいよ」と私が母に。立場がが逆転のこの頃

「電気毛布は?もう1枚布団は?」そう心配しながら母は早々に寝ました
一人じゃないことで安心したように・・・

《11月20日》

紅葉が奇麗なこの時期の帰省は珍しい私は、なんとか紅葉を見たいと
母と近所のおばさま、そして母の妹を誘った
「なんであんなもんが見たいかい」そう言う叔母達
田舎では、わざわざ紅葉を見に行く方が不思議なのかも。回りは山だから

山への道は分かれています
それを母の「道は分かる」それを信じたのがいけなかった
行けども行けども行き着かず、ついに上り詰め、これ以上は行けないところまで
母は首をかしげながら「ようわからん」。今になって・・と思いながら

途中で聞いて1本違った道  だということがわかり、それからは順調に走った
「両子山」は高校の時に遠足でいったところ
それ以来だったので、様変わりした山の様子に戸惑ってしまった

紅葉はなかなか奇麗でした。日頃静かなお寺がすごい人出でびっくりな叔母達
おかまいなしにシャッターを向ける私は、少し単独行動をしてきました
その間に叔母が食事の予約をしてくれた

皆で食事の時間。運ばれてきた食事であまり食が進まない3人
「皆、家で食べられるもんばっかり」という。精進料理だから、確かにそうかも
「美味しい」とわたし。「肉も魚もない」ぼやく3人。おかしかった!

私は精進料理、そして奇麗な紅葉に満足し
3人は珍しくない食事、山の様子。でも久しぶりの外出で気分が良かったよう
それぞれが満足の日になったと思う。母も・・・

夕食は今日もお刺身。お魚が安くて美味しい宝庫の故郷
「おいしい〜」満足そうな母の顔でした

《11月21日》

帰宅恒例の掃除が待ってます
日頃なかなか掃除が出来ない母。ベッドを動かして洋服の整理をして
やることはいっぱいあります。「もういいよ」そう言う母の声も聞かないふりして

食事を外で済ませ、母の用事の買い物へつき合った
そして、日頃お世話になってる親戚へお礼かたがたご挨拶へ回った
いつも暖かく迎えてくれます。有り難いことだと感謝しながら、これからの母もお願いし
しばらく話に花が咲きました。こんな時間も楽しい

電気がまの調子が良くないとのこと。さっそく購入して使ってみる
母に予約ターマーの練習をしてもらい、なんとかOK 
何度も練習はしてるものの一寸怪しい気もする・・・。まぁいいか

今夜も刺身にした。母の刺身好きはきっと日頃食べないからでしょう
唐揚げも作り、冷凍も2回分保存
今夜の母はとても疲れてます。出掛けることが続いたせいかも

食事しながらも眠そうで危なっかしい
「あとで目が覚めたら食べたら」そう言うと母はすぐに横になって寝てしまった
しばらくして目が覚めたようで食事。これもまた良しでしょう

《11月22日》

母が右手が痛く、物がつかめないという。見ると腫れてる
整形外科へと連れて行く
病院は月曜日だし、混んでるので時間がかかりそうといわれた

その間に、私は2人のメル友さんへ会いにと車を走らせました
初めてお会いするRさんは、酒屋の若いご主人
パソコンでの編集中ということでご挨拶だけ。優しそうなパパさんのようでした

もう一人のYさんは、つい最近大阪からUターンした方
自宅でパソコンを使ってのお仕事が可能で、どこでも出来るというYさんは
忙しいとお仕事に追われていましたが、故郷のすばらしさを語りながら
仕事場から見える山や、自然の風景がお気に入りと熱っぽく語ってくださいました

急ぎ戻り病院へ行くと、まだまだ時間がかかるとのこと
今日は近くで町主催のお祭が行われています。その中で同級生がカラオケ参加
さっそく出掛けてみると、懐かしい仲間にも出逢い楽しい時間でした

故郷の楽しみな催し、そしてそれを企画する仲間。それぞれが活躍しています
久しぶりに会えた嬉しさと、ほっとした気持のひとときでした

母もあまり大したこと無いとの病院からの報告で一安心
今日は新鮮な魚のにぎり寿司を買って帰宅
「美味しい!」今日も母の嬉しそうに食べる顔が見られました

《11月23日》

2日続くお祭も、今日が最後です
母はデイサービスのバスが迎えに来て8:30に家を出ました
母が居なくなって、母の居間の部屋を大掃除。物が多くてなかなか片づかない

一段落して、今日は高校の同級生の家に向かいます
Mさんは東京在住ですが、たまたま今回同じ帰省日なので逢いに行きました
あまりのいい天気に「どこか行こうか」と彼女の運転で出掛ける事に

「海が見たい」という私の要望にこたえてくれ、日頃行かない場所の海岸へ
水が綺麗。透き通っています。さすが故郷の自慢すべき海
時々止まって海の香りをしっかり嗅いだ。「これこれ。この香り」そう言いながら

国東半島1週駅伝も行われていました。途中から応援

Mさんが「ここがお勧めだよ」そう言って立ち寄ってくれた「濤音寮」
これは「すばらしい!」のひと言につきます

女性の表具師さんが、着物や古布を使った創作屏風
思い出の着物が、こんな風に屏風なり、すばらしい形で残せることが出来れば
そんな思いで、しばらく見入っていました。本当に素敵です

又他の部屋には沢山の工芸家の方の作品も数多く並べられ楽しませてくれます
我が故郷で、このようなすばらしい作品が見られたこと
今回の最高の収穫だったかもしれません。すばらしい作品にしばし酔いしれました

今日は母は1日お祭デー。私は故郷の海とすばらしい作品
そして名物「たこ飯」なる物をはじめて頂き
たこが国東半島の名物だと改めて知った日でした。美味しかった!

母はお祭で「モチ蒔き」があると言ってたので「転んだら怖いから行かないで」
そう言ってたのに、叔母の話では「前の方で頑張ってたよ」と
足の痛さはどこへ〜のい母でした

《11月24日》

昨日戻る予定を1日延ばして今日に
掃除洗濯をしながら何となく落ちつかない私。母もきっとそうでしょう

冷凍用のエビのフライ等を用意し、今夜の夕食用にとおでんを作り
あとはご飯もあるし・・・と
でも、今夜からの一人での夕食が味気ないだろうなと思いながら母を見る

母は、私が戻った時の危なっかしい足取りは少し取れ、少し安心
すみっこで聞こえないように「ゲートボールは今日はあるかな〜」と電話してる
でも、耳が遠いから私にはまる聞こえ。それが又おかしかった
でも、それだけ元気が出た証拠。喜ばなくちゃ。ゲートボール命だもの・・・

お昼は鰻重を作ると美味しそうに食べてました
「座るとご飯が出てくるのは有り難いことだ」そう言いながらの六日間でした

母のこれからの心配は山積みですが、しばらく歩くことに専念してもらい
又以前の母の元気を取り戻して欲しいと願ながら・・・

車へ乗り「気をつけて。無理はしないように」そういう私に
目を伏せがちに返事する母。いつものことですが、この瞬間が一番辛い

今回の帰省は、母の退院後のその後が心配でしたが、この数日で
ずいぶんと元気になりました。
ともあれ、母のこれからが課題ですが、自然体に任せていこう
しょうがないもの・・・・