【カラヴァッジョ】(目黒 東京都庭園美術館)
2001年9月29日から12月16日まで、東京都庭園美術館で「カラヴァッジョ」と題する美術展が開催されました。
副題を「光と影の巨匠―バロック絵画の先駆者たち」とし、日本では多分初めてとなるカラヴァッジョとその追随者(カラヴァッジェスキ)たちの回顧展です。
ただし、私はこの展覧会には行っておりません。
女房殿がお友達と観に行って「とても良かったから行って来たら」と誘われたのですが、ついつい億劫で行きませんでした。
と言うのも、今でこそ誰もが知るカラヴァッジョですが、この当時はあまり知名度がなく、加えて当時の私は「人殺しのカラヴァッジョが描いた絵なんかキワモノだろう」などという先入観があって見に行く気が起きなかったのです。
今から思うと本当に惜しいことをしました。
(画像は美術展の告知のチラシ)
本展ではカラヴァッジョ作品が8点も展示されていました。
二十歳のころに描いた「果物を剥く少年」「果物籠を持つ少年」に始まり、「ナルキッソス」「執筆する聖ヒエロニムス」「祈る聖フランチェスコ」「マグダラのマリアの法悦」「瞑想の聖フランチェスコ」「エマオの晩餐」の計8作品です。
その内の5作品は後に別の展覧会で見ることになりますが、「果物を剥く少年」と「祈る聖フランチェスコ」と「瞑想の聖フランチェスコ」の3作品はいまだに見ることが出来ておりません。
うーむ、やっぱり残念なことをした。
本展は8枚のカラヴァッジョの他にカラヴァッジェスキと呼ばれるカラヴァッジョの追随者の作品も30点ほど展示されました。
バリオーネの「聖愛と俗愛」やサラチェーニの「聖チェチェリアと天使」「聖アンナと聖母子」など、図録で見るだけでもレベルの高さを思わせる作品がいくつもあります。
この流れはその後、レンブラントに引き継がれ、さらにはジョルジュ・ラ・トゥールに到るまで広がって行くのですから、カラヴァッジョの影響力は大変なものだったのですね。
この画像は本展の図録です。
カラヴァッジョの絵画が載っている図録は私の宝物です。
(2024.12.01記)