【ベルギー王立美術館】(ベルギー ブリュッセル)
2003年8月にベルギーに行った際に「ベルギー王立美術館」を訪れました。
世界一美しい広場と言われる「グランプラス」からほど近い場所にあるこの美術館は古典絵画から現代絵画まで幅広く網羅する大層立派な美術館です。
元よりフランドル絵画を生み出した地域の美術館ですから充実していない筈はなく、どれも素晴らしい作品揃いでした。
とりわけ私が好きなブリューゲル(父)の作品が充実していました。
面白いことに父の作品と息子の作品が混在して展示してあり、「ベツレヘムの戸籍調査」は父と子の両方の作品を並べて展示していました。(画像は左が父、右が子の部分)
並べて比べてみると父のほうが圧勝だと思っていたら、意外にも息子も健闘していました。
健気にも息子は背景の木々の形を変えるなどして父との区別化を図ろうとしていました。
同じ風景画でも次男のヤンは独自の技量を持っており、晩年の父親に似ているように思いました。
以前から見たかったブリューゲル(父)の「謀反した天使の墜落」(画像は部分)もここにありました。
これに似た絵を「プラド美術館」でも見たことがありますが、なぜかブリューゲルの作品を多く所蔵する「ウィーン美術史美術館」では見たことがありません。
「ウィーン美術史美術館」のブリューゲル作品は「農民の結婚式」や「子供の遊び」など穏やかな絵が多いのはハプスブルク家の好みなのでしょうか、なんてことを思いました。
また、ルーカス・クラーナハの作品も「蜂蜜のビーナス」や「アダムとイブ」などの大作がありました。
新館の19世紀のフロアは折悪しく改装中で中に入ることは出来なかったのですが、主要な作品はは20世紀のフロアにコーナーを設けて展示していました。
お陰で有名な作品を効率よく見ることは出来ましたが、私にとってまだ出会っていない画家や作品たちと出会えなかったのは少し残念でした。
ここではダヴィッドの「マラーの死」やクノプフの「愛撫/芸術」、さらにゴーギャン、スーラなどを見ました。
最後に訪れたのが20世紀のフロアで、ルネ・マグリットの「光の帝国」(画像)や「アルンハイムの領土」、さらにはポール・デルヴォーの不思議な世界を見て「ベルギー王立美術館」の締めくくりとしました。
画像は美術館の図録です。
(2023.10記)