【ディスクオルゴールはどこに行けば聴ける?】



【その1】 「オルゴールの小さな博物館」

 下記の訪問記を書いたのは1998年の頃ですが、護国寺の「オルゴールの小さな博物館」は、2003年5月にリニューアル・オープンをしました。
 送っていただいた画像を見ると、リニューアルというよりも建物ごと造り替えてしまったようですね。
 とてもモダンな建物になっています。
 博物館から戴いた案内によれば、現在は予約制の博物館コース(一日3回)と、予約不要の演奏会コース(一日2回)があるそうです。
 オルゴールの音色に酔いしれるなら「演奏会コース」、たくさんのオルゴールを見せてもらって博物館員の薀蓄話を楽しむのなら「博物館コース」ということでしょうね。
 4名以上で予約をすれば「館長コース」といって、ぜーんぶを楽しませてくれるコースもあるそうですよ。
 きっと館長さん自らが秘蔵のオルゴールまで見せてくれるのではないでしょうか。
 それから、閉鎖したお台場の分館に替って、箱根湯本に「オルゴールの小さな博物館 箱根」が1998年8月にオープンしたそうです。

 トップバッターは、東京都文京区にある「オルゴールの小さな博物館」です。
 オルゴールの博物館は高原や海辺のリゾート地にある場合が多く、思い立ったときに手軽に行けるのは、東京ではここくらいなのです。
 ただし完全予約制なので、あらかじめ電話をして時間を約束しておかなければなりません。
 少し面倒ですが、そのかわり、親切な係員が時間をかけてたっぷりとオルゴールを聴かせてくれるので、大変に満足することができます。
 私たちが行ったのは日曜日の12時の回でしたが、私たちを含めた4人の訪問者に対して約1時間半をかけてオルゴールの説明と実演をしてくれました。
 この博物館は、収蔵品のオルゴールで作成したオリジナルのCDも製作しており、なかなかまじめな博物館です。
 博物館は、地下鉄有楽町線「護国寺」の4番出口から、日本女子大学方面に道なりに5分ほど歩いた左側にあります。
 電話番号は、03−3941−0008です。
 展示物は月ごとに変わります。内容と時間については電話で直接お問い合わせください。



【その2】 「オルゴールの小さな博物館 【台場】 」

 ***この博物館は1999年3月末日で閉鎖しました***

 「オルゴールの小さな博物館」の分館がお台場にオープンしました。
 新橋から「ゆりかもめ」に乗って5つ目の「台場」という駅、そう、フジテレビがあるところです。
 この駅前に「グランパシフィックメリディアン」というホテルがあり、博物館はその2階にあります。2階といっても、駅からそのまま入ったところが2階です。
 オルゴールは広いスペースにゆったりと配置されており、30分ごとに約20分間の解説と演奏があります。
 ということは、演奏が終わったら間もなく次の演奏が始まる、というわけで、私たちも続けて二回聞いてしまいました。
 もちろん演奏するオルゴールはそのつど変わるので、何度聞いても楽しめます。
 入場券は当日中有効で、何度でも再入場が出来ますから、時間のある人は食事をしたりお茶を飲みに行ったりしながら、何度でも演奏を楽しんでください。
 係の人たちも、いやな顔ひとつせずに何度でも説明してくれます。
 博物館のもう一つの部屋には大きなジオラマが置いてあり、オルゴールの歴史を見せていました。
 よく見ると、小さな部品が器用に動いて楽しめるのですが、オルゴールのファンとしては一つでも多くのオルゴールを展示して、少しでも多くの演奏をしてくれた方が嬉しいのになと思いました。
 また、ここには大きなオルゴールショップがあります。
 可愛い小物から、結構マジなオルゴールまで取り揃えてあります。
 中でも、復刻もののカリオペのディスクオルゴールは、アンティークに較べると箱のデザインが少しシンプルですが、値段(確か30万円)以上の価値があると思いますよ。
 そういえば機械だけなら大森さんの「ハイランド・アンティーク」でも売っていましたね。木工に自信のある人なら自作するテもありますね。
 私は、ここで売っていたシンギングバードに惹かれました。籠に入っているやつではなく、四角い金属の箱に入っているものです。
 あの、ピョンと飛び出て歌い、またピョンと引っ込む姿が好きなのです。
 でも20万円以上するのではとても手が出ません。
 ここは年中無休、午前10時半から午後7時半まで開館しています。



【その3】 「萌木の村博物館ホール・オブ・ホールズ」

 二つ目にご紹介するのは山梨県の清里にあるオルゴール博物館です。
 ここは大きな自動演奏機を数多く揃えているのが特色で、オルゴール以外にも自動演奏オルガンなどを楽しむことができます。
 館内では毎時間ごとに約30分の実演をしてくれます。
 近くでペンションを経営しているという変な外人さんが楽しく説明をしながらオルゴールを次々に演奏してくれるのです。
 しかも、毎回、演奏するオルゴールを変えてくれますので何回聴いても飽きることがありません。
 この博物館も自前のCDを製作しています。
 博物館を出て坂を少し登ったところに、アンティーク・オルゴールを販売する「ケントハウス」という店があり、更に奥には丈夫な革製品を製作する「メリーマック」という店もあります。
 他にもおもしろそうな店がたくさんありますので、ぶらぶらと半日を過ごしてみたらいかがでしょうか。
 場所は、中央自動車道の須玉ICで降りて国道141号線を清里方面に向かった右側です。
 JRの清里駅からも多分歩いていけると思います。(30分くらいかかるかな?)
 電話は、0551−48−3535です。



【その4】 「那須オルゴール美術館」

 「那須オルゴール美術館」は東北自動車道の那須ICを降りて10分ほどの場所にあります。
 館内に入ると、正面に自動ピアノが置いてあり、係員が頻繁に演奏を聞かせてくれます。
 演奏者がいないのに勝手に鍵盤が押されていくのは不気味な光景ですね。
 その横の階段を上ると、踊り場に巨大なシリンダーオルゴールが置いてあり、毎時0分に演奏があります。
 私たちは訪れた時間が遅かったため、最終回(16時から)の演奏に間に合わず、残念なことをしました。
 階段をさらに上ると部屋が二つあります。
 展示室Bの方はシリンダーオルゴールやディスクオルゴールが整然と並んでいます。
 私のようなディスクオルゴールのファンは、それらを見ただけで胸がドキドキしてしまいます。
 この展示室は毎時20分から約20分間、実際に演奏をしてくれます。
 説明はテキパキと明快で、なかなか結構なものでした。
 展示室Cの方はオートマタやシンギングバードなどが並んでいます。
 これらの実演は無いのですが、ビデオが毎時45分から上映されていて、その音を聞くことが出来ます。
 館内にはこの他にミュージアムショップなどもあり、なかなかの充実ぶりでした。
 そうそう、ギャラリーの片隅にはオルゴールのメンテナンスが出来る技術者もいて、日常の手入れについて質問をしたら大変親切に教えてくれました。
 「那須オルゴール美術館」は車がないとちょっと行きにくい場所にありますが、送迎バスが出ているようですから、電車派の人は問い合わせてみて下さい。
 電話は、0287−78−2733です。



【その5】 諏訪湖オルゴール博物館「奏鳴館」

 「奏鳴館」はオルゴール・メーカーとして有名な三協精機が運営をするオルゴール博物館です。
 中央自動車道の諏訪ICを降りて諏訪湖の周回道路に入り、途中から右手に折れて諏訪神社の秋宮を目指します。
 「奏鳴館」は秋宮の真ん前ですから探すのはそれほど苦労しないでしょう。
 昔の役場を模したという館内に入ると、正面に博物館の入り口、右側に喫茶店、左側に大きなミュージアム・ショップがあります。
 展示室は2つのフロアに分かれています。
 1階の方は「知的体験フロア」と題されていて、中央にスタンド型の大きなディスクオルゴールが何台か並び、その周りの壁沿いにいろいろな種類のオルゴールが展示されています。
 それぞれのオルゴールの音色は、録音したものをヘッドホンで聴けるように工夫されています。これは良いアイデアですね。
 2階の方は「感動体験フロア」と題されていて、階段を上ったところに工房があるほか、毎時30分からオルゴールの演奏があります。
 約20分ほど、いろんなオルゴールを聴かせてくれますが、もう少したっぷりと聞かせて欲しいなと思いました。
 新作のからくり人形の展示もあるのですが、それは大したものではなく、かえって雰囲気を幼稚なものにしていたのが残念です。
 まあ、それはともかくとして、「奏鳴館」は「那須オルゴール美術館」や「萌木の村博物館ホール・オブ・ホールズ」などと並ぶ立派な博物館で、オルゴール好きな人なら充分に満足できる博物館でした。
 博物館は年中無休で、am9:30からpm5:30までオープンしています。
 電話は、0266−26−7300です。



【その6】 河口湖UKAIオルゴールの森美術館

 「河口湖UKAIオルゴールの森美術館」は1999年9月にオープンしたばかりの、出来立てほやほやのオルゴール博物館です。
 中央自動車道の河口湖ICを降りて河口湖方面に進み、河口湖大橋を渡ったすぐ左側にあります。
 石造りのエントランスから中に入ると、まるで小粋な公園のような雰囲気です。
 中央の石畳の広場にベンチや椅子がいくつも置いてありますから、とりあえずここに座ってみましょう。
 目の前に白鳥が泳ぐ池があり、その池に浮かぶように二つの建物があります。
 左側が第1コンサートホール、右側が第2コンサートホールです。
 右側の第2コンサートホールの建物は正面がカリヨンになっていて、毎時0分になると兵隊姿の指揮者が現れて、鐘の音に合わせて噴水の舞を指揮します。これがなかなか素敵で面白い。
 それが終わるとすぐに(毎時5分から)第2コンサートホールで大きな大きな自動オルガンが演奏を始めます。
 これが凄い演奏で、演奏に合わせて正面や周囲の壁に取り付けられた43体の自動人形が鐘や太鼓を鳴らすのです。
 人形たちの健気な演奏や正面上部で太鼓を叩く二人の大きな男の子の人形の姿が、演奏が終わった後も目に焼き付いて離れません。
 演奏が終わったら橋を渡って第1コンサートホールに急ぎましょう。
 毎時25分から自動オルガンの演奏と四重奏による生演奏が楽しめるのです。
 正面の舞台にズラッと並んだ5台の自動オルガンはどれもこれも逸品ぞろいです。
 中でもタイタニック・モデルは、その完成が遅れたためにタイタニック号の処女航海に間に合わず、海難を免れたという数奇な運命をたどった自動オルガンです。
 毎回、1台か2台の演奏を聴かせてくれますので、3回通えば全部の自動オルガンを聴くことが出来ます。
 ちなみに私は2回通って3台の自動オルガンを聴きました。
 この後、プラハ市の交響楽団の団員による四重奏を生で聴かせてくれます。贅沢な趣向ですね。
 コンサートホールを出ると、一階がオルゴールの展示場、二階がオートマタの展示場になっています。
 オルゴールの数はそれほど多いわけではありませんが、レベルの高いオルゴールが多いように思いました。
 また、オルゴールは常時どれかを演奏していて、係の女性も私たちのリクエストに気持ちよく応じて、希望のオルゴールの演奏を聴かせてくれるのです。
 この二つの建物の他に、大きなミュージアムショップや、何故かチョコレートの店、それにレストランもあります。
 博物館は年中無休で、am9:00からpm5:30までオープンしています。
 電話は、0555−20−4111です。
 そうだ、内緒の情報を一つ。エントランスの左側にある出口のところに、割引券が置いてあります。それを持っていけば1300円の入場料が1200円になりますよ。せこい情報だったかな?



【その7】 京都嵐山オルゴール博物館

 「京都嵐山オルゴール博物館」は京都の嵯峨野にあるオルゴール博物館です。
 阪急電車だと、嵐山線の終点から渡月橋を渡って、そのまま10分ほど歩いたところにあります。その途中に京福電鉄の駅がありますから、京都市内からだとそちらの方が近いかも知れませんね。
 博物館は雰囲気の良いエントランスを持つ二階建ての建物で、博物館はその二階にあります。
 二階に続く階段を上ると博物館の入場券売場があり、すぐそこからオルゴールの展示が始まっています。
 ここにはディスクオルゴールがいくつかと、大きなシリンダーオルゴールが何台か置いてあります。
 私たちが入館したとき、ちょうど係員による説明が始まりました。
 説明をしながらいくつものオルゴールを聴かせてくれるのですが、説明がちょっと煩わしい感じです。
 後から来た人にも説明に合流するように指示するし、もう少し自由に見せてくれた方がありがたいなと思いました。
 次の部屋がオートマタで、この博物館はどちらかというとオートマタが得意なようなのです。
 手紙を書きながら居眠りをするピエロの人形などをじっくりと見せて貰いました。
 博物館の規模としては相当に小さいので、オートマタが好きな人以外には特にお勧めはしません。
 一階が喫茶店になっていて、食事や喫茶をしながらオルゴールや蓄音機が聴ける趣向になっています。
 博物館に入ると、コーヒーが半額になる割引券をくれます。
 コーヒーの出来はすごぶる良かったのですが、半額になってもなお500円近くする値段には驚きました。
 博物館は年中無休で、am10:00からpm6:00までオープンしています。
 電話は、075−865−1020です。