−第45夜− 困ったものだ中国ペン
私のコレクションの対象はあくまでもEskesenのフロートペンですが、それ以外の製品も保有しています。
古くはフロートペンの黎明期におけるアメリカ製のフロートペンや、一時期ヨーロッパで見ることが多かったイタリア製のフロートペンなどです。
それらはそれぞれにスタイルやフローターなどに工夫を凝らして自己主張をしていますから、私としても参考的にコレクション対象にしています。
困ったのは中国ペンです。
初期の中国ペンは、Eskesenの「クラシック」にスタイルがそっくりで、うっかりすると正規の製品と誤認して購入してしまいそうでした。
いや実際に買ってしまったこともあります。暗い店内で首を傾げながら買ったのですが、明るい場所で見たら案の定、中国ペンでした。
その品質は最低で、例えばスイスのこのペンなどは、高原の牧場の様子を描いているのですが、まるで複雑骨折をして脚があらぬ方向に曲がったような牛がフロートするのです。

あるいは、ラスベガスの「ルクソール・ホテル」のペンに描かれているのは5段ほどしか石積みされていない不格好なピラミッドとおちゃめな顔をしたスフィンクスでした。

ようやく見つけたフロートペンが中国ペンだったときは本当にガッカリしたものです。
とは言うものの、友人や知人がわざわざ海外などで買ってきてくれたフロートペンが中国ペンだった時は、その心遣いが嬉しくてありがたく戴いておりました。
そんな風に「来るもの拒まず」の姿勢で受け入れていたところ、中国ペンはいつの間にか100本を超えるまでになりました。
これらの中国ペンはEskesenのペンとは別の場所に保管しているのですが、先般確認をしたら104本中の31本が液漏れをしておりました。
フロートペンの中の液体はミネラルオイルなので簡単には蒸発せず、保管していた容器も、その他のフロートペンも油まみれになっておりました。
そのいくつかをお見せしましょう。いずれもオイルの半分ほどが失なわれています。


Eskesenのフロートペンでは小さな気泡が入ることはあっても液漏れするほどのペンは滅多にありませんが、これが中国ペンの品質です。
近頃はデザイン的には大分良くなってきていたのに、肝心の品質がこれでは、まだまだコレクションアイテムにはなれそうにありません。
まったくもって中国ペンは困ったものです。
それではまた明晩。