−第39夜− MADE IN DENMARK は困ります
もう一度、昨夜のクリップの画像を見てください。
縦書きで「MADE IN DENMARK」と書かれていて、その上にEskesenのロゴが刻印されていますね。
クリップには、このパターンの他に「DENMARK」とだけ書かれたクリップや、Eskesenのロゴだけのクリップがあり、さらに何も書かれていない無地のクリップもあります。
一方、バレルとシャフトのつなぎ目にある金属バンドは無地が一般的ですが、まれに「MADE IN DENMARK」と書かれているものがあります。
これなどは統一すればよいと思うのですが、実はそうはいかない事情があったのです。
それは国外の、とある代理店(仮にフランスの代理店とします)からの相談でした。
「先日、フロートペンをしげしげと見ていた客が「なんだデンマーク製か」と言って買わずに帰った。こんなことは前にもあって、せっかくパリみやげを買おうと思ったのにデンマーク製ではシラケる、とよく言われる。ついては「MADE IN DENMARK」とは書かないでくれないか」という相談でした。
私たち日本人なら、デンマーク製と書かれていたら「おっ、すごい」とか「へーっ」と思うかもしれませんが、ヨーロッパ人の場合は「ちぇっ」と思うのですね。何となくデンマークの立ち位置が分かるような気がします。
そこでEskesen社は、ロゴだけのクリップとか、それも書かない無地のクリップを用意して、リクエストに応じてそれらのクリップを取り付けたのだそうです。
一方、「MADE IN DENMARK」と書かれた金属バンドがあるのは、製造国を正しく表示するよう法律で定められている国への対応だと思われます。
確かに、外国でお土産を買おうと手に取った品物が日本製だったらちょっとためらいますよね。
中国製だった場合は「もう、しょうがないな」と思ったりすることもありますけど。
それではまた明晩。