−第33夜− アクリル製品
 エスケーセン社はフロートペンの専業メーカーだとばかり思っていたら、フロートペン以外の製品も作っていました。
 まずはその製品のいくつかを見てみましょう。



 一番左は栓抜き、右の5つはキータグ(キーチェーン、キーホルダー)です。
 この他にも、私が知る限りで全部で22種類のアクリル製品があります。
 いずれも、2枚のアクリル板の間に画像を挟み込んでいます(栓抜きは金属も挟み込んでいます)
 中には、表裏のアクリル板が開けられるようになっていて、自由に中の絵を差し替えられるような製品もありますが、そんな名札のような製品なら百均でも売っていそうです。
 と言うか、この程度の製品ならエスケーセン社ならずとも、どこの町工場でも格安で作ってくれそうです。
 ヨーロッパの町工場事情は日本とは異なるのでしょうか、あるいは実はエスケーセン社はそもそも町工場レベルの企業だった、とか。
 それとも、案外これもニッチな商品で、フロートペンと同様にエスケーセン社が寡占販売していたのでしょうか。

 私はエスケーセン社以外のこのようなキータグは持っていないのですが、栓抜きなら持っています。



 さて、どちらがエスケーセン社の製品でしょうか。
 こうして並べてみても、金属の部分に若干の違いがあるものの、形も大きさもほぼ同じですからどちらがエスケーセン社の製品か見分けがつきません。(正解は左がエスケーセン社の製品です)
 でも、よーく見るとエスケーセン社の製品には小さい文字で「MADE IN DENMARK」とか「ESKESEN」とか「エスケーセンのマーク」とかが刻み込まれているのです。
 画像では分かりにくいですが、左の栓抜きの一番上の部分に「MADE IN DENMARK」と刻まれています。
 キータグについても同じで、キータグの場合は大体は金属の輪をはめ込む穴のあたりに刻み込まれています。
 一方、エスケーセンではない方の製品は、よほど自信がないのか、製造社名も製造国名も刻まれていません。

 ここで疑問が一つ。
 エスケーセン社はアクリル製品の製造にどこまで関わっているのでしょうか。
 まさかアクリル板の成型はしていないでしょうけど、二枚のアクリル板の間に画像を挟み込んで接着する作業くらいはしたのかなあ。
 あるいは製造は丸ごと下請けに出して、営業に専念したのかなあ。
 どうでも良いことですが、とっても気になります。

 ところで、こうしたアクリル製品はずいぶん前からエスケーセン社のカタログに載っていたし、その種類も増え続けていました。
 きっとそこそこ需要があったのでしょうね。
 ただ、2024年にエスケーセン社が事業を終了して、日本のレトロバンク社がフロートペンの製造を引き継ぐことになった際に、アクリル製品については事業を引き継がない、つまり製造を終了する、ということになりました。少し残念な気もします。


 それではまた明晩