−第23夜− 上空から見るパリの名所
フロートペンのお膝元であるヨーロッパには、長い伝統を持ったフロートペンがあります。
今回ご紹介するのはその一つである「上空から見るパリの名所」というフロートペンです。
私がこのペンを初めて見たのは1994年のことでしたが、その時点で既にこのペンは何度目かの作り直しをした後でした。

先ずはこのペンをご覧ください。
このペンは2002年にデンマークの知人から頂いたものですが、色がセピア色に退色していることやクリップの形状などから、おそらく1980年台のものと思われます。
描かれているパリの名所は、エッフェル塔、凱旋門、シテ島、モンマルトルの丘で、このデザインはその後現在に至るまで変わっていません。
その上空を飛んで行く旅客機の垂直尾翼のデザインは見たことのないものです。
多分エールフランスのものと思われるのですが、ネットで調べても該当するものがありませんでした。

上記 1本目のペンが再発注された際に、技術が進歩したのかきれいに発色するようになりました。
いつの時点からか、材料のフィルムをコダック社から富士フィルム社に変更したそうですから、もしかしたらそれが発色が良くなった理由かもしれません。
デザインは1本目のペンと全く同じですが、よく見ると細部に違いがあるようにも見えます。
旅客機の垂直尾翼のマークは1本目のペンと同じです。

このペンは2本目のペンと同じなのですが、青色がとても濃く発色されているため、まるで夜間の景色のように見えます。
入手した順番はこのペンが一番古かったので、しばらくの間は意図して夜間の風景を描いたものと思っておりました。
発注のロットによってこうした違いが出るのですね。

この伝統ある「上空から見るパリの名所」のフロートペンもいよいよdigital化される時が来ました(泣)
同じように作っても肌理の粗さは隠しようがありません。
まるで中国ペンのようなテイストです。
それと飛行機のデザインが変わりました。
飛行機の機種自体が変わっていますし、垂直尾翼のデザインも変更されています。

さらにこのペンではC-TOPのスタイルが採用されています。
フランス人が頑固なのか、それとも向上心が無いのか、30年以上も同じデザインを使い続けているとは、町の変化が大きい日本では考えられないことです。
イギリスなんかでも同じ傾向がありますが、やはりヨーロッパですね。
それではまた明晩。