ミドルウェアとメディアアート

09/02/06

■メディアアートと技術開発について

メディアアート(ニューメディア)の分野での
特にソフトウェア分野でのミドルウェアの活用例というのはあまり聞いた事が無い。

何故そうなのかを個人的に考えてみた。

まず、はじめに、
メディアアートの定義は広いので、

ここでは主にソフトウェアを使用するものについて考えてみる。

・メーカーとのタイアップ

一部のアーティストはハードメーカーとのタイアップなどで認識技術やコントロール技術を共同開発することもあるが、
限られている。

この場合は、ハードウェア付属のソフト開発者と共同開発などが考えられる。

→例:フルカラーLED、認識技術、携帯電話等

・ソフトウェアを使う

ソフトウェアにおいては、
無料で使える物が多く、それらを組み合わせる事で、何とかなってしまう事が多いからかもしれない。

または、自らソフトウェアを構築して、独自のものを作ってしまうかもしれない。

→例:Max/msp/Jitter,Flash,Java,CSound,SuperCollider

・おもちゃを使う

おもちゃは壊れにくい、安価で手に入る

→例:LEGO Mindstorm、Wii Remote、

・自作する

独自でハード設計から行う。これも独特のものを作ることができる

→例:Gainer

・ゲーム機を使う

→安価・・・ではない。開発機やライセンス等はとても高価な場合がありうる。ゲーム以外のものを作るという事が許されにくいところもある。(ハードメーカの思惑と異なる使用になる場合)

■メディアアートの種類

範囲の中で制限することで、自らの創作範囲を限定するものかもしれない。

が、驚きのあるものを求めている事には違いない。

■ミドルウェアを有効活用してみませんか?

ミドルウェアとオープンソースは違います。

オープンソースは、ソースが開示され、皆で共有してモノを良くして行こうとする働きがあります。
一方ミドルウェアは、独自の技術をブラックボックス化し、使い勝手の良いものを提供しようとします。

有料だが基本的に商業ベースで高いものと思われがちである。
実際に、ミドルウェアが高いと思われがちなのは問題があるのですが、
無料だと質の維持やサポートが行えなくなる場合もあります。



せっかく便利なものがあるのなら皆で共有すべきであり、
ミドルウェアベンダーであったとしても、その技術を活かす新たな表現の探求は必要な場合がある。

そこで、技術のプロポーザル的なものとして
メディアアートとして 利用するのであれば、
それは共同開発と同じになり、無料で使える場合があります。

もちろん、商業利用の場合は個別相談になると思います。

■ミドルウェアの活用例

・ゲーム向けエンジンを使う

 ゲームは、インタラクティブアートの1つと考えられますが、その分野で叩かれてきた技術は有効に活用できる場合があります。
  ただし、気をつけないと、ゲームに見えてしまうのが難点かもしれません。
 (FPSのエンジン等)

 ゲーム機に限らず、 PCベース、Webベース、iPhoneベースで動く物があります。

・ゲーム向け音声処理技術を使う
 標準環境ではサポートされない、大量データの扱いや、圧縮音声のループ再生サポート等を低負荷で安定したものとして提供している場合があります。

 →大量というのは、数千から数万のオーダになります。 それらを低メモリ低スペックであっても、とてもシビアなタイミングで、途切れなく再生することが可能になります。

・ゲーム向け映像処理を使う
  ムービーを再生する場合によりインタラクションを行える仕組みを提供している場合があります。(シームレスループ再生、シーク再生、逆方向再生、可変速再生。)

 →他にも、Max/msp/Jitterや VJソフトを使う方法も考えられます。 それでは難しい場合等に利用する価値があるかもしれません。