石の磨き方
水晶の研磨方法について書いてみたいと思います。
ただし研磨といっても、水晶自体の形を大きく変えるような研磨は専用の電動工具が必要ですし、技術的な難易度も高いので、石の表面の曇りを取るような家庭で手軽にできる研磨方法について紹介してみます。
このようなライト・ポリッシングだったら、時間さえかければ、素人でもできるようになります。
1.研磨液を使った磨き方
スーパーやD.I.Y.店で売られている陶器やガラス製品の汚れ落とし用の研磨液(クリーナー)を使う方法です。
この方法は水晶の表面がほんの少し軽く曇っている場合には有効ですが、曇りが粗い(深い)場合は向いていません。
根気が要るものの、単純で失敗する危険が少ないやり方です。
力を加減して磨けば、レコードキーパーなどを残したまま光沢を出すことができます。
やり方は簡単で、布に研磨液を付けて時間をかけてゴシゴシと磨くだけです。
何時間も磨かないと効果が出ない場合がありますので、根気よく磨き続ける必要があります。
なお、研磨液に含まれる研磨材の粒子が大きいと細かい傷が入ることがありますので、実際に石を磨く前に透明なガラス瓶などを使って試し磨きするといいでしょう。
ピカール(日本磨料工業)、ピカット(モリヤ総販)などの研磨液がいいようです。
2.ダイヤモンド砥石を使った磨き方
粒度の細かい特殊な砥石を使う方法です。
水晶の曇りが粗い(深い)場合でもきれいに磨くことができますが、ややコツが必要です。
私は(株)フチオカという会社が出しているダイヤモンド砥石を使っています。
この砥石は柔軟に曲がるので、曲面もうまく磨くことができます。
フチオカのHPの工芸関連のページに通販のコーナーがあります。
粒度の粗い#1500からはじめて、次に粒度の細かい#3000を使い、最後に#6000で仕上げをします。
普通の砥石を使う場合は#20000〜#30000ぐらいで鏡面仕上げをするそうですが、フチオカのダイヤモンド砥石なら#6000でもわりと良好な艶が出ます。
また、艶出しにポリッシング・パウダーというものを使う方法もあるそうですが、私はまだ試したことがありません。
作業のポイントとしては次のようなことがあげられると思います。
・軽い力で円を描くように砥石を使います。
・各粒度の段階で目に見えるような傷をほぼ完全に取っておきます。
粗い粒度で磨き残しがあれば、粒度を細かくしてもなかなか傷を取ることはできません。
・#3000,#6000あたりの粒度では、水をふんだんに使って磨きます。
十分に水を使わないと、研磨後のカスが表面を傷つけるため艶が出なくなります。
#6000の仕上げでは、軽くなでるようにして磨くと艶が出ます。
研磨に慣れるまでうまく艶が出せないので、大切にしている石を磨くのは、いくつか石を磨いて練習してからの方がいいでしょうね。
3.艶出しの方法
艶出しには「青棒」という商品名の酸化クロムを使うこともできます。
青棒を使う前に、目の細かい砥石で目に見えるような傷はすべて取っておかないと艶が出ません。
青棒はナイフで少しずつ削り取り、乳鉢ですりつぶして、微粉末状にして使います。粒が粗いと、石の表面に傷が入ってしまいます。
濡れた布に青棒の粉末をつけ、水をかけながら、石の表面を磨きます。かなり根気のいる工程です。
2002/7/7作成 2003/10/04更新
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