The Adventure of Tintin by Hergé (3)
エルジェ『タンタンの冒険』
全24作品を読み終えた。英語版で23作品、最後の一冊は下書きの遺稿なのだが、英語版が図書館になく日本語版で。
あわや、間一髪、絶体絶命、千歳の一隅、そんなアホな、はてな? どうなる?なんとまあ、奇想天外・・・・の連続で、書かれた当時は政治的要素もあったのであろうが、時を経て、だだの冒険漫画となっている。
漫画にはスピード感があり、どのカットも細部まで神経が行き届いていて、じっくりと眺めていても飽きない。
会話の面白さは、ハドック船長のギャグの連発をはじめとして、言い間違い、聞き間違い、反復などそれぞれ持ち前の言い方を持っていてギャク連発であるが、冒険小説、探偵小説の筋書きもあるので、一作ごとに、感動、余韻が残る。中高生の英語の読み物として優れていると思うが、登場人物に、オペラ歌手カスタフィオーレ夫人(すごい存在感がある)を除き女性がほとんど出てこないので、男子校向けと言える。
キャラクターが、犬のスノーウィを含めて、みな個性的で、単細胞的と言えなくもないが、私は、「心根が澄んでいる」と呼びたい。彼らと出会って良かったと思う。
エルジェが1929年から1986年まで描き続けられた24作品。56年の歳月をかけて描いたタンタンであるが、いつまでも年を取らない。読む私も心は少年のまま。ただ八ドック船長の影響を受けて、最近ウイスキーの消費量が増えた。
写真は表参道から少し入ったところにあるタンタンの店(下)
キャップテン・ハドック(右上):タンタン、犬のスノーウィ(右下)
竹内 美紀 タンタン、フランス語の勉強のときに使いました。子どもが読みたがったので、日本語版も数冊そろえたのですが、24冊全部とはすごい、どれがおもしろかったですか?
宮垣弘 フランス語で読めるとは素敵ですね。
どの作品も面白かったですが、私は友情を描いた「タンタン チベットへゆく」が好きです。
少年向きに選ぶとしたら、「なぞのユニコーン号」「レッド・ラッカムの宝」の連作
、「めざすは月」「月世界探検」の連作を選びます。
竹内 美紀 山登りが好きな私も、「タンタン チベットへゆく」が一番好きです。京都のタンタンショップのおみやげで子どもに「なぞのユニコーン号」を買ってあげたら「レッド・ラッカムの宝」も欲しいと言われて買い足しました。「月」の2冊は読んでないので、探してみます。ありがとうございます。