ボウイの「Realty」ツアーDVD、アマゾンで買うか、お店行って買うか、国内盤待つか、迷い中…
そんなわけで、久々に「ニューヨーク恋泥棒」観ました。
舞台はニューヨークのクラブ「ダリ」。ウェイトレスのルーシー(ロザンナ・アークエット)はマジシャン目指して日々特訓中。新入りバーテンのモンティ(デビッド・ボウイ)はグリーンカード欲しさに結婚相手を物色中。お金が入用になった二人は、売上金を奪う計画をたてる。
「マドンナのスーザンを探して」では魔術師の助手としてノコギリで切られてたロザンナだけど、数年後のこの作品では自分がステージの主役!だけど、得意技?の縄抜けは、まだまだ失敗のほうが多くって…
お店の制服は女の子に大不評(たしかにあまり着たくない)だけど、フーディニに憧れるルーシーのステージ衣裳は20年代ぽくて可愛いです。
ボウイとロザンナ、役者としてはどうしたってロザンナのほうが上というカンジがするけど(ボウイももう40代のふつうのオジサン、しかもロザンナのホームタウンであるニューヨークが舞台じゃね!)、男の影が薄いのがこの話には却って合ってて、ちょうどよい塩梅で観られます。「グリーンカード取得をねらう流れ者の?英国人」だから、ニューヨークにたどりついた異邦人、といった風情もアリ。
見てて楽しいのが、ロザンナ扮するルーシーと親友のヴィヴィアンのやりとり。
ひょんなことから手錠でベッドにつながれてしまったルーシーは、訪ねてきたヴィヴィアンに拘束を解いてもらい「ちょっと伸ばしてよ」。体育の準備運動で組になってやる要領で、背中を伸ばしてもらう。こんなこと、いつもやってないとおいそれと出来ないよね。
「モンティとどっちが寝るか」をトイレにこもって話し合う場面では、
「でも、彼に相手にされるかなあ?」
「私たちを欲しがらないわけないでしょ」
と、バスルームの鏡を二人でのぞき込む。このシーン、可愛くて好きだなあ。
その他、朝食にマシュマロ焼く場面(英国人のモンティは「マシュマロを焼いて食べる」ことを知らず、物珍しがる)も楽しそう。
朝食といえば、モンティはルーシーを誘うとき「朝食におかゆを食べよう」「朝食にドーナツを食べよう」などと声をかけるんだけど、夜じゃなくて朝、一緒に食べようねって言われるのもいいもんだなあ。
お店のドラマーとして、Tin Machineのハント・セールスが出演。黙々とドラムロールしてるだけですが。
奥さん(このときはまだ結婚前)のイマンも客としてちらっと顔を見せます。
バックス・バニーとダフィ・ダック、ドジっこスタントマンのブレンダン・フレイザー、ワーナーの美人幹部ジョナ・エルフマンが、謎のダイヤをめぐる陰謀に立ち向かうおハナシ。
ブレンダンの役は「『ハムナプトラ』でブレンダンの代役を勤めたスタントマン(最後に のには爆笑)」。その父親の大スター(実はCIAのスパイ)はティモシー・ダルトン、悪役のアクメ社会長に茶髪のスティーブ・マーティン(一瞬誰?と思ったけど、背中の反らし方でわかった)、サイコな科学者にジョーン・キューザック(途中からメガネ外しちゃうのが残念。でも研究所の描写がいかにもで楽しい!)などなど…
実写のキャストも魅力的だけど、メインはカトゥーン。ルーニーキャラがこれでもかと出てきて次から次へとギャグを繰り出します。私は通販オタクのコヨーテが好き〜。
舞台もワーナーのスタジオ(ロジャー・コーマンが「バットマン」を撮影中)→ラスベガス(ダフィー・ダックいわく「集団の老人臭」)→パリ(私はエッフェル塔っていうとデュランデュランの「A View to A Kill」、つまりやっぱり007を思い出しちゃうんだけど)→アフリカ、とめまぐるしく移り変わります。
とにかくゴタゴタ色んなのが詰まってて楽しい。ルーブル美術館で、絵の中に入って逃げまくるバックスバニーとダフィとか、面白かった。
ブレンダンとジョナは頻繁にお召し替えするので、ああブレンダンがあと10キロ(略・でもこの映画ではでぶっていうよりマッチョなかんじ)と思いつつ、二人のコスプレを楽しみました。
あっそうだ、ブレンダンがベガスのステージでヘザー・ロックリアに近づくシーン、「エロイカより愛をこめて」の「皇帝円舞曲」を思い出しちゃった(読んだことある人は、見れば絶対思うはず!)
ところでこれ、ジェリー・ゴールドスミスの遺作なのかな?(imdbではこうなってるけど)
ブレンダンが車に乗り込むとき「グレムリンのテーマ」が流れたのが嬉しかったです。
「Scary Movie」第三弾の監督はデヴィッド・ザッカー。新宿では2週間で終わってしまうので、なんとか観て来ました。44席しかないとこで、満席+立ち見も出てた。
予告編の間、Scary Movie1と2の内容を振り返ろうとしたけど、全然思い出せず…アンナ・ファリスが天井にはりついてるシーンしか浮かんでこない。
肝心の本編ですが、2年前に劇場で「サイン」観たのは、今日のこの日のためだったのか〜(笑)
どこが面白かったか説明するとネタバレになっちゃうから苦しいけど、いつもの。冒頭の「犬が…」のシーンとか最高。これは「トップ・シークレット」で言うと「男が木の列車に乗ってるシーン」(ZAZ関係の中で私の最もお気に入りのギャグのひとつ)に該当するかな。
話の内容は「サイン」+「リング」、「8Mile」他諸々のパロディなのですが、うまくまとまってます。私は「リング」未見なんだけど、予告編でもみかけたことあれば、じゅうぶん笑える。
アンナ・ファリスはいつも可愛い、若手では今一番好きかも。顔にちょっと疲労の色が見えましたが、今回はもう学生の役じゃないからね。
でもって「サイン」のメル・ギブソンの役がチャーリー・シーンって、それだけで可笑しい…妻はデニース・リチャーズ(実際の奥さん)だし。
ただ、ホアキン・フェニックス役のサイモン・レックスは分が悪い。あのホアキンにかなうわけないもん。そもそも「サイン」自体が、バカと真面目さのパワーにおいて、負けず劣らずなわけだし。
今回特別出演?のレスリー・ニールセンはアメリカ大統領。さすがに年のせいか、身体はったギャグはないですが、美味しいとこ持ってってくれます。障害者ネタが面白すぎ。
アヴァンタイトル(のみ)にパメラ・アンダーソン(昔から大好き、現役のお姿見ると嬉しくなっちゃう)とジェニー・マッカーシーが出てくるんだけど、ジェニーが「うつぶせになってヒザ曲げて、足首でアタマを掻く」シーンがあってびっくりしてしまった。自慢だけど私、身体はかなり柔らかいほうなんで、ウチ帰ってやってみたんだけど、全然出来なかった。脚の長さの違いを差し引いてもスゴイ。
(04/10/14・劇)
早稲田松竹で「グッバイ、レーニン!」と「壁」モノ二本立てだったので行って来ました(時間と体力の関係で、両方は観られず)。
1961年ベルリン。一夜にして築かれた壁によって、国は東西にわけられてしまう。
元水泳選手のハリーは、幼子のために逃亡を断念した妹を置いて西側へ脱出。妻と離れ離れになった親友のマチスと協力して、壁の向こう側までトンネルを掘る計画をたてる。
以前書いたように、「刑務所(脱獄)モノ」「潜水艦モノ」などの男オンリー映画って大好き。これも最初のうち、ジャック・ベッケルの「穴」(一番好きな脱獄映画)みたいなとこあるなあ、とワクワクしてたのですが、音楽は結構派手だし(「穴」はほぼ穴を掘る音だけで話が進んでいく)、途中から、恋人を東に残してきた女性フリッツィが加わることになる。少々ガッカリしてしまったんだけど、でも、そこからどんどん面白くなってきた。スパイ容疑、仲間内の人間関係、東側との壁をへだてた駆け引き…
3時間弱があっという間でした。実行当日のくだりなんてほんと、息もつかせぬってかんじ。
最後に、この映画が実話に基づいてることが示されるのですが(私は知らずに観てた)、「60年代の中頃にはこうしたトンネルが何本も掘られた」というナレーションを聴いて、ぱーっと一気にイメージが広がった。どこかで読んだことのあるエピソード、偽造書類で出国した人、走って壁をよじのぼった人、湖を泳いで渡った人、バスで壁に突入した人(作中出てくる)、そして、トンネル掘った人もたくさんいたんだなあと。映画観てる間は、このトンネルが「壁」問題の象徴みたいなカンジがしてたけど、実際は、この1年足らずの間にも、いろんな人がいろんなことしてたんだろうなあと。
壁を越えようとしたフリッツィの恋人を撃つ兵士の表情が印象的で、人間には、人間を殺さない権利もあっていいのになあ、と思った。
戦場で片足を失った理想主義者のヴィックという人は、ドニー・イェンがお湯でふやけたような顔なんだけど、東側に捕まって裸にさせられるとき、義足を外す。不謹慎だけど、身体の一部が不具な人って、抗えない魅力がある。それが(たとえば纏足のように)自由に動き回れないからという身勝手なロマンによるのか、それともたんに見た目の奇特さによるときめきによるのか、わかんないけど。
あと、ドイツではクリスマスにりんごを食べる習慣があるんだろうか?ツリーやリースに飾られてるのはよく見るけど、ナマで食べてたから(まああの場合、料理する余裕なんてなかったのかもしれないけど)
(04/10/12・劇)
アメリカ南部の田舎町を舞台に、アメフト部の名コーチ(エド・ハリス)と、知的障害を持つ青年「ラジオ」(キューバ・グッティングJr.)の交流を描いた物語。実話だそうです。
エド・ハリスは、「波止場ポーズ」(帽子にコートの襟たてて、片足を何かに乗せた姿勢)が世界一似合う!私が学生なら、あんなイイ男が先生だったら、授業に全く身が入らない。
(ちなみに私の、彼「が」いちばん好きな出演作は「ミルクマネー」。まだピチピチしてたメラニー・グリフィスと、アブラ気のあったエドの共演作。ここでも教師の役)
何の予備知識もなく、ふらっと入って観たのですが…アメフトのコーチがふと気付くと、フェンスの向こうに、毎日練習を見に来ている障害者の青年が。となれば、彼には隠された才能が、走ったらめちゃくちゃ速いんじゃないの?とか、そういうのは一切なくて、ごく淡々とハナシが進んでいきます。エド・ハリスもその妻役のデブラ・ウィンガーも、その他の皆も、とても良かった。
知り合って間もなく、エドがトラックに「ラジオ」を乗せると、彼はチューナーをいじって好みの局に変えてしまう。すると流れてくるのはアイズレーの「That
Lady」なのですが(私のベスト30に入るくらい好きな曲)、この曲がこんなに似合わない光景があるとは…(笑)「カントリーもいいけど、こういうのもたまにはな」というエドが可笑しい。
逆に、アメフトの試合中に「China Grove」が大音量で流れるのは、新鮮で気持ちよかった。
ところで、先日読んだ本「古きよきアメリカン・スイーツ」に、アメリカ留学していた著者が、ホームパーティでブラウニーを見て、その無骨さに「誰かが失敗作を持ってきた」と勘違いするくだりがあった。このころ(70年代と思われる)はまだ、日本人にブラウニーなんて知られてなかったのだろう。この映画の舞台も同じ頃なんだけど、高校のランチにブラウニーが出るという描写があって(「ラジオ」が校内放送で献立を発表する)、どんなカンジのものだったのかなあ?と思いを馳せてしまいました。
途中から、エドが金の台座に赤い石のデカイ指輪をしてるのですが、あれは、作中では説明されなかったけど、ラジオの母の形見だったのかなあ?と推測したりして…
(04/10/06・劇)
昨日深夜に放映してたので、観てみました。
一台の黄色いロールス・ロイスをめぐるオムニバス的な3つのお話。すごく面白かった〜。
ヒロインは、ジャンヌ・モロー(大臣の妻)→シャーリー・マクレーン(ギャングのボスの情婦)→イングリッド・バーグマン(著名な夫人)と変わっていくんだけど、高級車をめぐるお話なだけに、皆ゴージャス!ジャンヌ・モローの座るドレッサーの椅子のデカさに感動してしまった…もちろん帽子もでかい(写真参照)。アスコット競馬に出かけるときのカッコ。
私がいちばん良かったのは2話、シャーリー・マクレーンがボスの居ぬ間に写真師、というか観光地で女性の写真を撮って、ついでにベッドのお相手もして、小金を稼いでるアラン・ドロンと恋におちてしまう。「アルフィー」のケイン様もそうだけど、こういう写真屋は色男じゃなきゃ。どっちも根はブルーカラー系なのが(実際そうだし)、女心をくすぐる。
「ソリアーノに来ない?ぼくに会えるよ」
私はあまりにも整った顔立ちの男性には何も感じないのですが、あんな顔であんな間近で言われたら、そりゃ一生忘れられないだろう。
ロールス・ロイスは3人の女たちの束の間の情事の舞台となり、最後にはバーグマンと共に大活躍、ああもう壊れちゃうのかな?と思ったら、まだまだ元気。シャーリー・マクレーンはクルマ屋さんで「彼」にひと目惚れしたとき、「これが目、これが鼻…」とヒトに見立ててたけど、私も最後には「よくがんばった!」と誉めてあげたくなりました。
余談ですが、タイムリーに先日観直してたのが「風と共に去る20ドル?」。「愛の落日」観てから、若いころのブレンダン・フレイザーが出てるのをあらためて堪能してるの(べつに、今のブレンダンに不満があるわけではない…ってのはウソかな・笑)
これも上と同じく「あるモノが狂言まわしとなって色んな人のドラマを見せてくれる映画」。こっちはオムニバスというより群像劇ぽいかんじで、タイトルどおり、一枚の20ドル札が多くの人の手に渡りながら、くしゃくしゃになりながら、話が展開していく。
ブレンダンの役は、社長令嬢に気に入られていわゆる逆玉の輿に乗る…予定の好青年で、まだまだ若くてピチピチしてます。育毛剤売ってる男に「キミは髪がふさふさだから」とか言われてるし(最近薄いからね…)
その他、スティーブ・ブシェミ(例によって最初から最後まで間抜けな役)やエリザベス・シューなど、とにかくいろんな人が出てて楽しい。DVDになればいいのになー。
スウェーデンの田舎町。1年半前に転校してきたのにいまだに友達ができない16歳のアグネスは、2つ年下のエリンにひそかに思いを寄せていた。エリンは可愛くて皆の人気者、だけど内心「outなものしかない」この町にうんざり、毎日退屈してる。
ひょんなことから親しくなる二人だが、周囲の目やあれやこれやで、そうそううまくはいかない。
他愛ないお話なんだけど、個々のエピソードがとても印象的で、たとえばエリンが、洗面所の鏡じゃスカート履いたお尻がどんなだかよく見えなくて(この、ぴょんぴょんする気持ち、とてもよく分かる・笑)、仕方ないのでマンションのエレベーターの鏡で確認しようとしたら、お姉ちゃんがスカート持ってきてくれなくて、パンツ一枚のとこをママに見られてしまう、とか。そのママとエリンが、ソファで宝くじの当選番組を観るシーンもいい。
エリン役の子は初めて見たけど、アグネス役のレベッカ・リリエベリは「ベアーズ・キス」の女の子。黒谷友香が若干ケツアゴになったようなカンジ、だと思う…
二人の他はほとんど素人を起用したそうだけど、皆の顔見てるだけで面白い。エリンのグループにいる眉の薄い女の子なんて、そうそうこういう子いるよな〜と見惚れてしまった。ヤなやつなんだ。エリンのお姉ちゃんとその彼氏のアホっぽいカップルも味わいぶかいし、アグネスの弟も可愛い。
エリンに惚れてるヨハン君は素朴というか、ちょっと頭がよくなくて、女の子がトイレで吐いてるとこにやってきて「君は世界一美しい」って、そりゃあトイレのタワシでもって拒絶されても仕方ない(笑)
皆自分のことで一生懸命で。ほんとにしれ〜っとしてる。10代のころってそんなもんかなあ。
北欧映画というとまず見てしまうのがインテリア。あまりハイセンスじゃないから、私としては親しみが湧く(笑)
大抵せせこましい家で、原色の家具がバンバン置いてあるのに、なぜかちょっと侘しく、そして愛らしい。このへんはカメラの具合もあるのかな。
この作品に出てくるのも、いかにもくつろげそうな部屋ばかり。女の子の間ではディカプリオがブームのようで、皆写真貼ってるのが可笑しい。アグネスの部屋には「カサブランカ」のボギーのポスターもあったりして、シブい趣味だ…
音楽もとてもキュートで、車のラジオから流れるフォリナー以外は全然知らないスウェーデンポップスなんだけど、90年代ぽくて(90年代の映画なんだから当たり前だ)、サントラ欲しくなっちゃったけど、日本じゃ出てないみたい。
最後、二人はトイレの個室で気持ちを確かめ合うのですが、女の子同士でトイレ、私もよく入ったなあ。といってももっと子供のころ、小学生のころだけど、そのへんの子と一緒にトイレ入って、用足すの待ち合ったものです。以前某所で話したことあるんだけど、皆やってたと思ったら、そうでもないみたい。
(これに関しては、たぶん、自分は、トイレというものが、他人より日常に近いところにあるんだと思う)
先月DVDが出たので、借りてきました。
映画の主人公になりきって、気にくわない人たちを次々と殺していく青年(デニス・クリストファー)。
一言で言うと、「保護者がいなくなったので夜自由に出歩けるようになった映画オタクが他人に迷惑をかける話」だ。
ずいぶん前にビデオ観たことあるんだけど、同僚がミッキー・ロークだというの、初めて気付いた!あと、主人公のエリックがお店でマリリンと出会ってモジモジする様は、二宮和也に似てるなと思ったり…
少年保護司?のモリアティさんが職場でハープ吹きまくってるのは、それ見た女警察官が「まあ、すてき」と感じてしまってベッドイン、てことなんだろうか。
エリックは自宅ではいつもトランクスに帽子姿である。って書くと変態みたいだけど、下はラクな下着、上は映画の主人公(誰?)になりきって帽子を手放さない、というカンジ。
顔が見える程度の大きさの鏡しか置いてないからそうなるのであって、叶姉妹のように鏡張りとまではいかずとも、全身鏡を置いてれば、あんなカッコではいられないだろう。そりゃ映画的にはトランクスのほうがいいし、この姿だけ取ればカワイイけど。
このアンバランスさが、なんだか彼らしい。
エリックは映画「死の接吻」を真似て車椅子の叔母を殺してしまうんだけど…
テレビで「AIKI」のCMをやっていた。交通事故で下半身麻痺になった主人公(加藤晴彦)が、車椅子での合気道に目覚める話。
「車椅子の人が(主要キャラクターとして)出てくる映画」って、何があったかなあ?「裏窓」「何がジェーンに起こったか?」のような古いもの、「7月4日に生まれて」「フォレスト・ガンプ」のような戦争もの…あ、「ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ」のスティーブ・マーティン、大好き。「あの」シーン思い出すと、元気になれちゃう。
「デヴィッド・ヨハンセンを観る」3作目は「3人のゴースト」。ご存知ディケンズの「クリスマス・キャロル」が原作なので完全に季節ハズレなのですが、彼の演じる「過去のゴースト」がタクシー運転手として登場するもんだから、前回の「のるかそるか」とつながってるってことで…
スクルージを演じるのはビル・マーレイ。テレビ局の若社長で、クリスマス・イブの生番組を製作中。「ネズミにトナカイの角を糊づけしても、とれてしまって…」と嘆くスタッフに「ホチキスで留めておけ!」と言い捨てるようなヒドイやつ。しかし「過去のゴースト」「現在のゴースト」どっちもかなり暴力的(笑)で、結局ふりまわされちゃう。
ヨハンセンはグラム系といってもいいようなメイクで、葉巻吸いながら、いつもの声で登場します。昔の母親を見て涙を流すスクルージに渡すハンカチが、赤い水玉ってのがカワイイ。
ところで、この二人が並ぶと、ビル・マーレイのほうがかなり大きいんだよね。チェビー・チェイスとこの人がデカイってのは、いつも違和感を感じる…
ちなみにこの映画の見所のひとつは、冒頭、マーレイが弟と街に出るシーン。ストリートミュージシャンとして、マイルス・デイビス、デビッド・サンボーン、ラリー・カールトンが演奏しています。スクルージ(マーレイ)は一言「うるさいな、さっさとくたばれ」…それでもクールに演奏してるのが可笑しい。
その「我らは来たりぬ」は、amazon.comで試聴できます。
「マイケル・ケインとブレンダン・フレイザーの共演」…私が行かなくて誰が行くんだ、というわけで、週末に予定してたのを待ちきれず観てきました。でもって案の定ガラガラだった。最終の回で5人くらいかな?
それというのもこの意味不明の邦題(原作はグレアム・グリーン「The Quiet American(おとなしいアメリカ人)」)と、あとそうだなあ、ブレンダンが美貌(体型)を保ってくれてたら、もっと女性客見込めたかも…(笑)
好きな役者さんに対しては、声も聴き慣れて愛着持ってるもんだから、たとえばテレビの洋画劇場で吹替え版「ハムナプトラ」やっても、私の場合ほぼ2時間ずっと「こんなのブレンダンの声じゃない…」と違和感抱き続けるはめに。今回はその「聴き慣れた声」が2つ、一瞬だけど目を閉じてまで堪能してしまいました。ケイン様のコックニーなまりの英語は、私にもなぜか結構聴き取れる。ちなみにブレンダンはフランス語やベトナム語も(私の耳には)流暢に話してました。
それにしても、二人が並んで歩いてるの、背の高さも顔の大きさも、背中の広さもほぼ同じくらいで、自分で自分の男の好みに笑ってしまった…(そりゃあブレンダンにはあと10キロは(略)でも白いスーツは似合ってた)
1952年、仏領下のサイゴン。ロンドンタイムスの特派員トーマス・ファウラー(マイケル・ケイン)は、妻がありながら現地の女性フォングと暮らしていた。アメリカから医療援助のためにやってきたパイル(ブレンダン・フレイザー)に若き日の意気盛んな自分を見、親しくつきあうようになるが、彼もまたフォングに思いを寄せるようになる。
愛する人の前では静かにふるまいながら、その実、彼女と現地に残るためなら銃弾すら怖れず前線に赴くケインと、惚れてしまったら友人の愛人であろうが正々堂々と告白するブレンダン。しかし、互いにその顔が崩れるときが…
…この邦題はほんとによくない。たんなる三角関係の話みたいじゃん?後半は政治スリラーなのに。
テロが起こり、ケインが「窓辺で本を開く」まで、そしてその後、ブレンダンが逃げ惑うシーン、ずっとドキドキしっぱなしでした。とても面白かった。
ブレンダンは出演作のほとんど、いや8割くらいにダンスシーンがあるのですが(「くちづけはタンゴの後で」「ジャングル・ジョージ」「モンキーボーン」など…おススメは「原始のマン」と「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」)、いずれも「ダンサーのように上手い」「運動神経が良い」ふうには見えないんだけど、とても生き生きと楽しそうに踊る。でも、今回はダンスが下手(な役)。ケインに愛人を紹介されて一緒に踊るんだけど、彼女の姉にも「下手ね」と言われてしまうほどのぎこちなさ。この時点でもう、映画の中の彼の将来に、不吉な予感が…(笑)
ベトナム女性のフォングは、長い黒髪と口角を美しくあげた笑顔が印象的。ブレンダンの愛の告白をケインの前で断った後、一瞬ちらっと見せる微笑…男に頼らなければ生きていけない状況で、精一杯自分を律して生きているといった雰囲気。
ケインと彼女が暮らす家は、昼間でも蜀台に灯をともしており、シンプルなベッドルームも素敵。でも愛する人がいなくなってから、ケインは灯をともさずに過ごしている。
ケインからブレンダンに乗り換えたフォングは、アオザイをやめてワンピース姿、髪も現代風にセットしている。買い物から帰ってくると、戸口にケインからの手紙が置いてある。それを仕事仲間と会合中のブレンダンに手渡し、ベッドに座り込む。生活を共にしていないときは、顔を合わせている間はすべて二人だけの時間だけど、一緒に暮らしはじめたら、自分のものじゃない顔も見なければならない。しかもこのように、生き残るために身をあずけている男。自分の国に介入しにやってきた男。心中を想像してしまった。
ところで、ブレンダンはケインに「彼女を守らなくては」(protect her)と言うのですが、こういうときprotectって使うもんなのかな?戦争中ってのもあるのかな。もしくはこのへんに、ブレンダン(=アメリカ人)の姿勢が現れてるのかな。
最後、記者としてベトナムに残ったケインが書く「幽霊はどこの家にもいるが、刺激しなければおとなしくしている(be
quiet)ものだ」という文章の意味がよくわかりませんでした。この事件を例えて言ってるのかな。
(04/09/13・劇)
とある山の中。森には恐ろしい怪物がいると言われ、皆は境界線を守って暮らしていた。しかし動物が皮を剥がれる事件が幾度も起こり、村は混乱に…
ちょっとびっくりしてしまった。だってこの話、シャマラン監督作なのに、ちゃんと「スジが通ってる」。
だからといって「納得させられる」わけじゃないんだけど。登場人物一人ひとりは極めてまっとうなこと言ってるんだけど、「そんなこと、あるわけないじゃん!」(笑)
ストーリーだけを取り上げると、日本人ならこういう話、一度は漫画で読んだことあるんじゃないかな?今市子「孤島の姫君」とか、まつざきあけみの作品にも似たようなものが…これ以上はネタバレになるので言えないけど。
(ちなみに主人公は山岸凉子の「白眼子」に似ている。盲目だけど、特定の人物を感知することができる。愛する人だから見えるのか、見える人だから愛するのか、わかんないけど)
でも映画ってスジだけじゃなくて、とくにこの監督の場合、笑っちゃうほどのテンションの高さを求めて(私は)観てるわけだから…今回も面白かったです。
村の冠婚葬祭の様子もいいし。何度も取り上げてるお気に入り映画「刑事ジョン・ブック/目撃者」なんかもそうだけど、ああいう描写って楽しい(「刑事〜」は実在するアーミッシュの村で撮影してるから余計面白い)。皆が何食べてるか、もっとハッキリ見たかった。あと、お皿洗ってるときの白いアワアワは何?(洗剤とか、ないよね?)とか。
残念だったのは、ホアキンの見せ場が少ないこと!7割がたホアキン観に行ったようなもんなのにー。
替わりといっちゃなんだけど、クローゼットの中のエイドリアン・ブロディに笑ってしまった。「サイン」でキスチョコ帽かぶってたホアキンにはかなわないけど(笑)
マイケル・ピットも相変わらず可愛かったです。わりと重要な役。
(04/09/12・劇)
きのう、深夜にテレビをつけたらやっていた。地上波でたまに放映してるので、観るの3、4回目かも。
19世紀末、マルコム・マクダウェル演じるH.G.ウェルズ(あのウェルズ)はタイムマシンを発明。しかし切り裂きジャックがそれを盗んで逃亡、ウェルズも後を追い1979年のサンフランシスコへ…というお話。
未知の時代・土地で「大きな迷子」を演じるマクダウェルがキュートで、彼にひとめ惚れするエミー(メアリー・スティンバーゲン)でなくとも胸キュンしてしまいます。「ロンドン銀行」みつけて意気揚々と入るシーンとか、マクドナルドで前の人のマネしてビッグマック頼んだあと、「…and,
tea」と付け加えちゃうシーンとか、可愛いんだ。
エミーの家を訪れたウェルズは、食事を終えてソファへ。男と女がいればそこは自然の成り行き、顔と顔とが近づいて、キス…ということになるのですが、
「君は、目を閉じないんだね」(英語で何と言ってるかは忘れた) 自分も目あけてるから見えるんだよ〜というのはさておき…エミーは銀行で為替窓口をまかされている「キャリア・ウーマン」。ウェルズは日頃から「未来は戦争も差別もなくなり、男女同権になっているはず」と公言してたのですが(だからタイムスリップして、殺伐とした現実に愕然とする)、実際に仕事を持って自立した女性に出会うのは当然ながら初めて。
目を閉じたキスもいいけど、目あけてると、より能動的に「味わう」感があるっていうか…だから、このセリフは、積極的な女性に遭遇して戸惑うやら嬉しいやら?な彼の気持ちを表してるようで、なんとなく印象的だ。
まあどのみち、その後エミーはウェルズにのしかかってしまうんだけど(笑)
時間を越えた男女のアレコレというので一番に思い出すのは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティが過去へタイムスリップし、自分の母親のロレインにパンツを見られるシーン。
「あなた、カルバン・クラインっていう名前なの?」
この場合は、たとえ50年代でも、アメリカの女のコは積極的だというハナシ。
(ちなみに、「タイム〜」のメアリー・スティンバーゲンはBTTFのパート3に出てるので、ちょっとつながりが。今公開中のジョン・セイルズ「カーサ・エスペランサ」にも出てる。観に行きたいけど、なかなか時間が合わない…)
子供のころ、海の生物になるなら何がいいだろう?とよく考えたものだ。
私は「深海魚」希望だったんだけど(あまり動かなくてもよさそうだから)、この映画観て、深海魚の多くは結構たいへんそうだということがわかりました。インベーダーゲームみたいな闘いがあったり、エサとるために毎日水中を上ったり下りたり。
でも、デカイ魚だと、たくさん食べなきゃいけないから狩りがめんどくさいしな…
残念だったのは、ベルリンフィルオーケストラの演奏がでかすぎて気がそがれたこと。クジラの子供がシャチに食われると、ジャジャーン!とか…
(後半にさしかかったころ、隣のお姉さんがポテトチップスの袋を開けて食べ始めた。とても食べたかったらしく一気に袋を開けていたけど、音楽が大きくなかったら食べられなかったろうから、彼女にとってはよかったのかも・笑)
あと、観てない人には何のことやらですが、あのカニの群れはいったい何をしていたんだろう?
でも、サンゴ同士の戦いとか、夜になって気付くとサメの群れが!とか、さすがに面白い映像が満載で、楽しかったです。
マリワナ海溝とか巨大サンゴ礁とか北極とか、自分には生涯縁がないであろう場所の映像を見て、生物にはそれぞれ見合った場所があるんだから、これからも私は、人間が集まるところで生きていこうと思った。
それから、最後にうつったシロナガスクジラの背骨が、とても立派だった。
(04/09/03・劇)
「デヴィッド・ヨハンセンを観る」2本目は「のるかそるか」。この映画のことは、「シー・ビスケット」観たときにも、好きな競馬映画としてちょっと触れました。
といっても馬はほとんど出てこない。競馬狂のトロッター(リチャード・ドレイファス)が、たまたま仕入れた八百長情報をキッカケに、大穴あてまくる一日を描いたお話。
ヨハンセンは、ドレイファスに最初の八百長情報を教える運転手仲間という、準主役級の役。柄シャツの前はだけた髪ぼさぼさの競馬好き男、結構はまってます。借金で首がまわらなくなって、献血したら、「稀少な血」ってことで結構なお金もらえちゃう。
それにしても、映画に出てるの見たあとだと、デビュー当時の格好(右写真・真ん中)はギャグにしか見えない。まあグラムロックってそういうもんだけど。
大穴あてたドレイファスは、庶民が入れない「ジョッキークラブ」で競馬観戦としゃれこむのですが、ココにいるのは、日がな暇つぶしをしている金持ちオヤジとその奥さん、あるいは愛人、有閑マダムetc…でもってドレイファスは座るなりモテモテに。ちょっと解せないんだけど(笑)彼女たちには目新しいタイプに感じられたのかな。
そうそう、このくだりに出てくるハンバーガーがものすごくまずそう。カウリスマキの「マッチ工場の少女」に出てくるオープンサンド(パンにトマトがのってるだけ)に次ぐ、「映画に出てくる不味そうなパン」だ。