若くして成功したカメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)は、白昼の公園で逢引中の男女を盗み撮りする。気付いた女(バネッサ・レッドグレーブ)はネガを取り返そうと執拗に彼を追ってきた。別物を渡しその場をしのぐが、自分がたいへんなものを撮影してしまったことに気付き…
この映画について話し出すと長くなるので省略しますが、ラスト近く挿入されるのがおそらく映画史上最も有名な「ロックバンド出演シーン」。ジェフ・ベック&ジミー・ペイジ在籍時のヤードバーズが「Stroll
On」(「Train Keet A Rollin'」の歌詞違い)を演奏している。観客は皆マネキンのように身動きしない。そのうち雑音に苛立ったベックがアンプを攻撃、ぐらぐらになったギターを踏みつけて壊してしまう(ペイジはにこやかに演奏を続けている)。もげたネックを投げると、それまで微動だにしなかった客たちが突然大興奮で奪い合い。なぜか必死で食らいつくトーマス。しかし外に出た途端それはただのゴミと化し、道に打ち捨てられてしまう。
この演奏シーンやモッズファッションも印象的ですが、いちばん心に焼き付いてる映像は無音の草むら。トーマスのアトリエの造りも面白くて気になる。
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1966/イギリス 監督ミケランジェロ・アントニオーニ |