あすなろ学級記たんぽぽ

学 級 通 信

この「わかくさ」は、1990年代初めのころ、
あすなろ学級が山の上の小さな小学校にあった頃のものです。
子どもたちの名前、私の名前はすべて仮名に書き換えています。
子どもたちの作品は、もう随分時間が経過していますので、
可能な限りそのまま掲載させていただきました。

4月 5月 6月 7月 8・9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月


おもな登場人物はこの5人。
6年生の「わたる」、
5年生の「かける」、
同じく5年生の「さぶろう」、4年生の「くみ」。
そして、ぽぽんた先生。

自分の気持ちをうまく表現することが苦手な子たちでした。教室を一歩出ると、急に貝になってしまいます。
なんとか、自分を表現することに自信を持って欲しいと思っていたぽぽんた先生は、学級通信を表現の場として生かすことにしました。

この学級通信はB4版で発行しました。左半分が通信で、右半分は生活記録になっていました。

左の挿絵は、1年間の終わりにわたる君に描いてもらったものです。学級通信を一冊の冊子にするときに「表紙にするから全員の似顔絵を描いてくれ!」とわたるくんに頼んだら、こんな素敵な仲間の絵を描いてくれました!



これが、その右半分、「生活記録表」です。
実は、学校を休みがちな子や生活が不規則になりがちな子などがいたので、生活にリズムをつけたいなあ、なんて思ってはじめました。
「きょうの一日」の欄は日記です。言葉だけでは難しそうだったので、「絵を書くだけでもいいよ。」といって描いてもらいました。絵が書き終わったら、コメントを脇に少しだけ書いてもらうようにしました。

生活の記録、宿題の確認は朝の会でします。
きょうの一日は、帰りの会で書いてもらいました。

そして、書いてもらった日記を使って次の日の「わかくさ」を構成しました。
朝の会では、その「わかくさ」(左半分)を、丸読みで交代に読みました。


元気よく、のびのびと・・・そんな願いを込めて、学級通信の名前は「わかくさ」としました。


この学級通信は、毎朝、朝の会で子どもたちと一緒に読みます。
それで、全員が読めるように、できるだけ読み仮名もつけました。


まだまだ、おたがい緊張気味。
簡単に答えられそうな質問をして、間を縮めていきました。

通信の文面は、毎回、この程度です。
一緒に読むことが目的の一つなので、できるだけ簡潔に、短めの文で書いています。

「やんちゃぼうずもいるようです」
というところを誰かが読んだとき、
「いやなやついたよ」
と、くみさん。
通信は、おしゃべりのきっかけにもなっていきました。


よしお「かけるくん、今年は、どんなことをがんばりますか?」
かける「マラソン」
よしお「マラソンがすきなの?」
かける「できなかった」
よしお「だから、がんばりたいんだ。えらいなあ。それじゃあ、・・・・・・って、書くといいかなあ・・・」
・・・・・
などと、話し合いながら文にしていきました。
はじめの内は、みんなどう書いたらいいか戸惑っていました。こうしてみたら、・・・といってもなかなか書き出せない子も。<自分の思ったことを書く>ということが、意外と難しい!

給食は4人で食べます。
協力学級に戻って食べていた年もあったようですが、なにしろ教室を出るとほとんど「貝」になってしまう子たちです。給食くらい気楽に食べさせたいなあと考えました。
それに、給食の準備を自分たちの手だけでやるって、結構いい自立訓練だと思います。


この頃は、5分間で走れるだけ、自分のペースで走ればよいことにしていました。
さぶろうくんは、太り気味なので、途中で止まってしまうこともあり、他の子よりはどうしても少なめになります。
ゆっくり、ジョギングのような走り方でいいから、5分か走りきろうと励ましました。


この時のあすなろ学級の子たちは、行事と体育、図工、音楽などは交流学級で過ごしていました。


まらそん、本読み、なわとび、ふえ・・・子どもたちが自分であげていた課題は、これから学級の中で継続的に取り組んでいくことになります。

前の日のよかったところを、再度通信の中でも評価していきました。<見つけたプラス評価は惜しまずしよう、繰り返ししよう>という方針でした。


「仮説実験授業」をやってみたくてしかたのない時期でした。早速、生活単元学習の中で『空気と水』をやってみることにしました。




みんな笛が吹けないので、笛を口にやって指をテキトウに動かしながらの参加でした。楽しそうなはずがありません!
楽しくなくても、いやでも、何とか切り抜けなければいけない場面は、生きていれば誰にでもあることだから、時にはテキトウにごまかすこともよし!としています。
でも、この子たちは本当にふけないのかなあ・・・?音楽は交流学級へ行っていたので、周りのペースについていけず、覚えよう、覚えられる、という意欲や自信をなくしてしまっただけ・・・ということはないかなあ・・・

そして、かける君は、いやなことがあると、それを避けるように欠席する傾向がありました。


国語でも仮説実験授業を通して知った教材を使っていました。予想する、確かめる、といったパターンで進めていきますが、予想が外れても、「○○くんのアイディアもいいね。」
「答えは△△だけど、○○さんは、〜って思ったんだね」
っという具合です。自分の考えを表出することを励ましていくには、ちょうどいい教材だったと思います。


いずれ、詩の形で表現できるようになれば・・・と思っていました。
それで、おもしろそうな詩にふれさせようと・・・


算数は水道方式の考え方を使って、数の基礎的な概念作りからやっていくことにしました。
音楽は、交流学級に行っていましたが、大きな声で言意欲歌うようなことはなかったので、朝の会や帰りの会のときだけでも、元気よく楽しく歌えるようになって欲しいと思っていました。
ぼくは、養護学級をもちながら2年生の音楽ももっていたので、そのために覚えたオルガンの曲を、こちらでも弾いて生かすようにしていました。


大人なしい感じのさぶろう君が一位なったので、ひときわ嬉しくなってしまいました。
そのさぶろう君、こんな人の絵を書いてくれたので、どういうところか聞いてみました。
ぽぽんた「何してるところ?
さぶ「たってるところ」
ぽぽんた「そうか・・・じゃ、“たっているところ”と書いておこう」
いつかもっと詳しく書ける日がくるといいな・・・と思いつつ書いてもらいました。

笛は、基本的な音だしから始める必要がありました。八つ切り画用紙一枚に、大きな楽譜を書いて壁に張り出し、4人がだいたいクリヤーしてきたら次の課題を貼り出す・・・というようにしました。


一番初めは、シだけの曲「鳥の泣き声」
穴を完全に塞ぐということが第一の関門。
息を調節してちょうどいい音をだすことが第二の関門でした。

二番目の曲は、ドとシだけの曲で「パトカーのサイレン」。
・・・・この調子では、鼓笛でやっている曲(校歌、きらきらぼし、ドラゴンボール)までいくのは、ちょっと無理かなあと思っていましたが・・・。


陸上大会の練習がある間は、これに便乗して、みんなでこれに参加しました。他の子達は、より速く、遠く・・・を目指していたことでしょうが、あすなろ学級のみんなは、<最後まで自分のペースで走りきる>がめあてでした。


予想はしてくれても、的を得た理由を言うことは難しいようでした。なんとなく・・・でもいいことにして、何かしら理由が言えるように励ましました。
みんな興味津々でした。


みんな、なかなかいい感じで書いてくれるようになりました。
何をどう書いたらいいのか、いちばん戸惑っているように見えたさぶろうくんも、このころには、随分鉛筆が楽に動いているように見えました。


「漢字の読み」の「その1」「その2」・・・というのは、低学年の漢字を中心に、作っていた気がします。
どの子も、それぞれのスピードで吸収しつつありました。


「仮説実験授業」の運営方法に沿って忠実に実施しました。
自分の意見を言うのはまだまだ課題ですが、予想はしっかりしてくれました。


さぶろうくんも、「なんとなくです」だけですが、理由を求められて、やっと口にしてくれました。他の子たちのやりとりがいい例になったようです。
ここまでのところで、子どもたちのこの授業に対する評価を聞いてみました。一度も予想が当たらなかったさぶくんは、ぼくの予想に反して、一番高い評価をしてくれました。


かけるくん、登校。なんとか楽しい思いをたくさんして欲しいと思っていました。それが、欠席を減らすことになると・・・。


くみさんや、さぶくんも、やっと大活躍する場面がめぐってきました。
かけるくんにも、早く大活躍の日が来ることを願っていました。

スポイント競争は、通常学級の1年生でもみんな燃えてくれましたが、少人数もなかなかいいものです。一人で何回もできるし・・・

まだ まだ まだ まだ、つづく・・・