(社)日本建築家協会近畿支部住宅部会
すまいcafeとは
住宅に関する情報提供はいろいろな形で行われていますが、
すまいcafeは建築家と市民の方とが気楽にひざを交えて
住まいや建築の文化についてお茶でも飲みながら語り合うのが特長です。
各回テーマを決めて、簡単なテーマについての講演の後、
ひとつのテーブルに建築家1-2名、市民3-4名の
4-6名のグループ毎で気軽に討議を行い、
また、何名かの建築家の考え方を聞くため、席替えもします。
住まいに関する建築主のご要望は多種多様で、なかには矛盾するもののあります。
例えば、家族が仲良く暮らせる空間が欲しい、でも子どもも大きくなればプライバシーは必要。
明るい家がいいので窓は大きくして欲しい、けれど省エネも大事だし、防犯も心配・・・
実際の建築家とのすまいづくりの過程では、建築主といろいろお話をしながら
時間を掛けてこういった矛盾も解消していきます。
また住まいには様々な工法(構法)や技術もあり、それぞれ長所も短所もある場合もあります。
それらを冷静に比較して説明しがらすこしでも建築主のご要望の本質を考えながら
いろいろと選択可能な構法や技術などの中で最適と思える選択をしていきます。
すまいづくりに関するしっかりとした考えと情熱をもっている建築家だからこそできることかも分かりません。
ノウハウ中心ではなく、何人かの建築家と住まいや環境について、数時間一緒に考えてみることで
広告主の工法だけをPRしがちなハウジング雑誌や
講演者一人の考えだけを一方的に話すことになりかねない講演会
自分の聞きたいことだけに答えてもらいがちな建築相談会など
他のソースでは得られないひと味ちがった深い知識を得ることが出来ると思います。ご興味のある方は是非参加下さい。
(株)INAXの協力も得ながら、1年に数回開催しています。
今後の開催予定:2009年5月9日(土)、7月18日(土)、10月17日(土)、2010年1月16日(土)
<2009年度の年間テーマ>
『建築家と考える環境にやさしいすまい』
〜建築家ならではの環境にこだわりあるアイディアと工夫を探る〜
地球環境の悪化により、すまいを建てる時も、環境は避けて通れない課題です。
環境に関する技術・工法・設備なども多数ありますが、<クリックすると環境共生設計手法の整理へ>
それぞれに長所や短所もあり、住まい手の生活との相性もあります。
環境問題のウソを指摘するベストセラーさえ出ている昨今。
地球にも人にも優しい住まいとは何か?
住まいと環境のできるだけ正しく多くの情報を、
建築家とすまい手で共有したいという想いで企画しました。
2009年度、開催日とテーマ
5月9日 「建築家と考えるエコにこだわりのあるすまいづくり」
どこから始める相性の合う建築家の探し方
建築主と建築家のコミュニケーション
7月18日 「建築家と考える自然素材を活かしたすまい」
心と体にやさしい自然素材の心地よさ
自然を取り込み共生するすまいづくり
10月17日 「建築家と考える家族の変化とエコライフ」
変化し進化するエコ仕様のすまいづくり
いつも“こころ”をつなぐ人と環境にやさしいすまいづくり
1月16日 「建築家と考える省エネの快適すまい」
自然エネルギーを利用した環境住宅の工夫
断熱と気密、冬暖かく夏涼しく暮らすには?
専用ホームページ仮運用中
2008年から講演内容をビデオで掲載しています。
またテーマに対する考えなどをまとめています
http://27.pro.tok2.com/~sumaicafe3/次回は決まり次第イベント情報に掲載します。
会場風景
テーマに関するミニレクチャー ひとつのテーブルを囲んで、気軽にテーマについて考えます。
過去の開催テーマ例と趣旨
「リビングルームって何」
日本ではリビングルームが、家族室なのか客間なのか、なんとなく曖昧なまま使われていることが多いと思います。
住まい方・暮らし方を基本から考えてみるため企画しました。「部屋はいくつあればいいの」
住宅の夢を足し算で検討したのに、実際は予算や敷地の制約から、割り算になるといった不満をよく聞きます。
でも本当は家全体を有機的に空間構成すれば、たとえ狭くても住みよい住まいが実現できるはずです。「もっと知ろう木造住宅1-2」
阪神・淡路大震災では、木造住宅がばかり倒壊したという誤った?報道で、木造不信が生まれましたが、本当はそうなのでしょうか。
JIAの有志で木造住宅の倒壊理由を調査を行った結果も踏まえ、安心で快適な木造住宅とを知ってもらうため企画しました。「建築家のつくる住まいのアイデア特集」
(タイトルどおり、アイデアを集めてみました)「住まいとまちなみ」
住まいは個人の所有し、居住するスペースですが、それが集まれば「まちなみ」となります。
まちを意識しながら、住宅を建築すればきっと更に住みやすいまちができることを願って企画しました。「住まいの環境、エネルギー」
地球環境問題の深刻化から、住まいも環境を視野に入れたものにしていかなければなりません。
しかし、高気密高断熱の住宅だけが、人と地球にやさしい住宅といえるのでしょうか。いろいろな環境共生手法を討議しました。「住まいと高齢化」
高齢化といえば、バリアフリーというイメージがあります。しかし家の段差などの「バリア:障壁」をなくすだけでいいのでしょうか。
加齢による身体機能の低下にはもっと細かな配慮が必要です。「健康な住まいって何」(98/6)
シックハウス症候群が社会問題化し、「健康住宅」をPRをするメーカーもでてきていますが、その設計手法は正しいのでしょうか。
もっと使用建材に細かな配慮も行い、また本当の健康のためには通風や採光にも工夫が必要です。
「住まいとコスト」(98/11)
長引く不況の中、「ローコスト住宅」が人気を集めていますが、中には安かろう悪かろうのと思えるものも多くあります。
住まいの維持管理までも含めたトータルコストや仕様について討議をしました。「多世帯の住まい」(99/5)
二世帯以上が一緒に住まう際に、玄関・水回り等をどうするのか、よく質問を受けます。
家族の個別事情のほかに、10年後20年後のライフサイクルの変化も踏まえ、よくよく検討が必要です。
「どこが違う建築家の住まいづくり」(99/10)
住宅の供給者として、建築家・工務店・ハウスメーカー等があります。
それぞれの特徴の説明と建築家の住まいづくりとどこが違うかを討議しました。「住まいのメンテナンスとリフォーム」(2000/5)
住まいは適切なメンテナンスを行うことによって、ますます快適性が増し,長く住まうことができます。
また、子供さんの独立などライフサイクルの変化に応じたリフォームも必要かもわかりません。「進化する住まい」〜住換え?建替え?・模様変え?(2001/9)
住まいがそこそこ古くなった際に、売却による住み替え、その場での建替え、改装の選択肢があります。
専門業者(不動産・リフォーム等)は自社のサービスが有利といいますが、第3者的な建築家の考えは?「住まいとペット」(2002/3)
我が家の大切な住人。ペットたち
動物の習性も知った上で、人間もペットも快適に暮らせる住まいとは何かを探ってみました。「住まいの防犯と開放性」(2002/9)
空き巣などの犯罪が増加し、住宅の防犯性に関心が高まっています。
防犯性を重視するあまり閉鎖的にするのも、かえって犯罪の予防にならないかもしれません。『本当に安全で健康な住まいってナニ?』〜増改築?バリアフリー!・シックハウス症候群?〜(2003/4)
日本では学校などで住まいについての学習機会があまりないため、「そろそろ住まいを!?」という時に、手がかりとして「キャッチフレーズ」を求めがちです。
「健康住宅」、「バリアフリー」、「100年住宅」・・・・、盛んに宣伝される言葉ですが、「本当に安全で健康な住まい」とは何なのでしょうか?
また、テレビの人気番組もあり、増改築がブームです。
本当は現在の住まいの長所・短所や「個性」や「くせ」などをしっかり見極め、計画することが大事で、新築以上に検討は難しいともいえます。
快適リフォームのコツや新築住宅について経済性も含めて、やがては高齢化して行く家族の将来も見据えながら、考え、探ってみました。
『子供の居場所・親父の居場所』〜その位置・広さ・設備・監視?プライバシー・・・〜(2004/3)
新築やリフォーム時に、なかなか中心と捉えて検討されることが少ない「子供の居場所・親父の居場所」にスポットを当て、
子育てのことや各自のプライバシーのこと、子供の年齢や性別、如いては、個室の必要性にまで考え、
私たちの暮らしは、生活物資の豊かさ程に、精神的な豊かさや心地よさで満たされているのかどうかを探ってみました。
住まいの明り、ともし火−(2004/9/25)
明るさに加えて、温もりや住まいの演出をも担う、照明。自然光の取り入れ方も含め、暮らしをより豊に彩る住まいのアクセントとして、
その配置方法や電球の種類、明るさの目安などを一緒に考えてみたいと思います。
新築・リフォーム〜住まいの耐震性(2005/4/2)
阪神大震災から早10年。また3月23日には政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会から
「全国を概観した地震動予測地図」報告書も出されました。住まいの耐震性を考えていただくきっかけに企画しました。
自然の力を活かせる家造り(2005/11/26)
ロハス(Lifestyle Of Health And Sustainability、健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル)がブームになってきました。
光・熱・風・水・土などの自然を利用して、無理なくエコノミー&エコロジーを実現できる住まいこそが、これからの時代に求められているかもしれません。『快適な住まいの知恵と工夫』〜住まい手としての建築家が考える快適な住まいって?〜(2006/5/27)
住まいに求めるもの、というのは人によって色々あると思いますが、その中でも『快適なすまい』を第一に挙げられる人が多いのではないでしょうか。
一言で『快適』といっても、それは間取りであったり設備機器やインテリアであったり、収納・清掃性や通風・採光であったり様々な部分におよび、
それらの要素がバランス良く家の中にデザインされることで初めて成り立つものだと思います。
家の外をデザインする(2006年10月21日)
住まいを考える時、「間取り」ばかりに気を取られることが多いと思います。
しかし、住宅地では、建坪率は5割程度のことも多く、敷地の半分近くは「家の外」です。
「家庭」という言葉は、なぜか「家」と「庭」なのです。
豊かな暮らしを送るには、エクステリアも含めた、敷地全体の利用計画をきっちり検討することが大事と思います。「あかり・光をデザインする」(2007年1月20日)
明るさ・色・艶・直接・間接、光や明かりの効果は実に様々です。それらを自在に あやつり住まいの表情を演出する建築家の技を探りましょう。
「風をデザインする」 (2007年4月21日)
クールビズとはネクタイをはずすだけで、体感温度は2度下がり、冷房を少し抑えるという考えでした。
すまいの場合、省エネといえば、断熱性能を上げることが中心に宣伝されていますが、
住まいの通風を少し工夫すれば、冷房がいらない時間が増え、省エネにつながりますし、
しかも自然の風はエアコンよりも心地いいのではないかと考えます。
あらためて日本の気候や風土に合った住まいを考えてみました。
「快適な水まわりをデザインする」(2007年7月21日)
キッチン・バス・トイレ・サニタリーなどの水まわりは住まいの要です。
機能や設備の充実は勿論それらを含めた気持ち良さが必要です。さてその気持ち良さとは?
「インテリアをデザインする」(2007年10月20日)
家具、カーテンなど住まいの装いと捉えられ勝ちですが、
インテリアとは、建物の内部空間の全体を指す言葉で、快適に暮らせる空間をデザインすることです。
一つ一つの構成物の美しさ(デザイン・色・質感・素材・スタイル)も重要ですが、
光の当たり方なども考え、より素晴らしい空間づくり目指すことが大事です。
「家族とLDKをデザインする」(2008年1月19日)
戦後、寝食分離を掲げて住宅公団(当時)によりLDKという形態が取り入れられ、それが一般化しました。
LDKとその間取りのつくり方によって、家族の関わり方が大きく変わってきます。
日常のさりげないふれあいがある住まい、いつでも家族の姿・声・気配の感じられる住まいこそ現在の家族に必要なのではないでしょうか。
家族の"こころ"をつなぐ住まいづくりの工夫について考えてみましょう。
2008年度
建築家と考える子育てと住まい<2008年4月19日>
子育てを考える時、住まいはどうあるべきか?その答えは国によって或いは子育ての考え方によって大きく異なります。
戦後日本ではLDKなる間取りが生まれ、さらに生活が豊かになると子供にも個室を与えるようになりました。
加熱する受験戦争が背景にあり、個室の存在はそれを与えることでより集中して勉強してもらいたいという親心でもありました。
しかし進学校合格者へのアンケートでは勉強していた場所は個室よりもリビング、ダイニングが多かったという調査結果もあり、
また個室が親子のコミュニケーション不足をもたらし、閉じ篭りや不登校につながるという見方もあります。
色々な考え方があります。色々な試みがあります。建築家と「子育てと住まい」について一緒に考えてみませんか?「建築家と考える二世帯の住まい」<2008年7月12日>
戦後に一組の夫婦と未婚の子どもだけによって構成される核家族化が進んでいましたが、1975年頃から核家族率は徐々に低下しているそうです。
少子高齢化や男女共同参画社会、地価高騰などによる住宅取得難などもあり、2世帯住宅を検討される方も多くなって来たからと思います。
親世帯と子世帯の同居にはメリット(家事や育児の適度な分担など)もあればデメリット(価値観や生活リズムが違うなど)もあります。
限られた予算や敷地条件の中で、より快適な親子同居を実現するための工夫を建築家と一緒に考えてみませんか?
「建築家と考える介護と住まい」<2008年10月18日>
高齢化の進展や国の福祉政策の転換などで、在宅介護が増えてくるといわれています。
介護者の負担を減らし、介護される側の人としての尊厳を大切にすることが重要といわれています。
住まいの機能面については、バリアフリー(手すり取り付けや段差解消など)が
巷間いわれていますが、果たしてそれだけでいいのでしょうか?
家庭内の不慮の事故死は交通事故死よりも多いと国の統計でもでており、
幼児からお年寄りまで事故を無くす細やかな配慮が必要です。
また、生き甲斐や生活の質の保つためには
家族の絆ややすらぎを感じる住まいの工夫も必要だと考えます。
「建築家と考える安全・快適な住まい」<2009年1月17日>
住まいは究極のプライベート空間です。安全で安心して過ごせる空間でなくてはゆっくりとくつろぐことも出来ません。
近年は住宅を対象として窃盗も増加しており、その手口も多様化・複雑化してきています。そのため従来とおりの方法では対応が難しくなってきました。
防犯対策だけを考えてしまうと閉鎖的になったり、楽しさが半減することにもなりかねません。
住み心地や住まう楽しさと防犯が同居する住まいづくりの工夫について語り合い、ヒントやアイディアを持ち帰ってみませんか?