第2回福祉建築アイデアコンペ結果

平成11年6月15日申込締切の標記コンペには58点の作品応募があり、下記の方が入賞しました。

「第2回福祉建築アイデアコンペ」入賞作品

・ 福祉建築アイデア大賞  
「老いて街に住むということ」(伊藤茂樹/伊藤茂樹空間意匠研究室)

・ 優秀賞
「高齢社会での中でこそ「商店街」は再生できる(井上守建築事務所)
「We弘明寺」(萬羽敏郎/萬羽設計)
「体験街〜日常生活を楽しむ〜」(熊谷 立/SD企画設計研究所)
「 ひとのやさしい街」(八幡洋平.望月秀一朗/東京理科大学)
「商店街へ行こう」(和渕 大.竹村好史.田中紀之.内藤健吾.中村 亮
             三浦 研.大窪健之/京都大学) 
「縁 −よすが−」(纓坂 太)
「回転マーケット」(武元里香/京都芸術短期大学)

講評
福祉のための大きなテーマであったが、必ずしもこれにこだわらず、天性のひらめきと自由な発想があり、実現可能なものや実現不可能な思いつきのものもあったが、福祉について真剣に考えていて喜ばしかった。 
私は、公共の福祉に関わっていますが、すばらしいアイデアがあっても、そこに実現されていない。例えば、駅のエレベターなど元気な人達が先どり、必要のないものの理念が損なわれている。バリアフリーの建物コンペを必要とする人達への心くばりが欲しい。心の貧しさがなくならなければいけない。一人一人が将来的に福祉を考えてもらいたい。 


応募要項
1.主旨
   社団法人日本建築家協会は、建築物の質の向上および建築文化の創造・発展に貢献し、公共の福祉増進に寄与することを目指す建築家の団体です。
しかし、現在我が国は世界にも類をみない規模と早さで人口の高齢化が進み、又一方少子化による職業環境の変化、バブル後遺症等による街並みの変化やそれに伴う空洞化やコミュニティの崩壊等、今や社会の様々な側面で克服すべき課題が山積みしていると思われます。
   本当に豊かな生活ってなんだろう・・・・
 豊かで誰でもが住みよい街を作る上で重要な役目をはたしているものが、生活する地域にある商業(物販、サービス、飲食店)施設ではないでしょうか。
   都市には、郊外に較べて、住居の周囲に多数の商業施設が存在しており(中には商店街や市場のように大量に集積している場合もある)、それが高齢者や障害者の生活にも大変便利で、もちろん子供達や若い人にも便利であります。
  またスーパー、コンビニの出現に見られるように商業に対する社会ニーズの大きな変化があるように見えます。 
  商業施設と街との関わりを考えることにより「ひとにやさしい街」を超えて、いま「ひとのやさしい街」をどのように創るか、それは将来わたしたち自身が住む街すなわち「まさにやさしい街」であってほしいと思うのでが、どうそれを創りあげていくのか・・・
 さまざまな人々より提案を募り、全作品を展示会等にて公開する事により提案、喚起されたそれらの問題を自からの共通認識として将来の建築、街造りのありかたを、ともに考え、ともに行動する事を眼目として、ここに広く具体的な提案を求めるものです。


2.設計条件
  将来の想像される高齢化社会に於ける商業空間に関するもので、大小さまざまな施設、街並に関する、組織・運営及びハード面の「商業振興」や「住みよいまちづくり」などで提案を求めます。規模、敷地、場所は自由とする。


3.応募資格・応募登録
1)応募者の資格は問わない。ただし審査員が主宰する組織に所属する者は応募出来ない。
応募は個人(個人の共同を含む)でも法人でもできる。
2)応募登録は、平成11年5月21日(当日消印有効)までに応募申込書を本協会近畿支部宛に郵送して応募登録を行う。
応募申込書は、往復葉書に「福祉建築アイデアコンペ・応募申込書」と頭書きし、下記の事項を記す。


  • 1.個人の場合
    応募者住所及び氏名
    返信用葉書に応募者住所及び氏名
    2.共同の場合
    全員の氏名,代表者住所及び氏名
    返信用葉書に代表者住所及び氏名
    3.法人の場合
    法人の住所及び法人名及び連絡先
    返信用葉書に連絡先

  • 4.提出作品
    1) 作品に関してはA2サイズ1枚(横使い)にまとめる(つりフックは掲示可能なもの)。図面の仕上げは自由とするが、文字は日本語に限る。又、考えかたを中心に文字でまとめる場合でも作品を展示公開する予定なので補足的なスケッチ、イメ−ジ図等によるヴィジュアルな表現を考えて下さい。又図表、写真等(模型写真等)の添付は、いいですが、模型等は直接添付しないでください。
    2)提出作品には応募者名がわかるような文字や記号を記入しないで下さい。


    5.提出方法
     1)提出期限は平成11年6月15日(当日消印有効)
     2)提出方法は持参、郵送または宅配便(受付日を明記)に限る。
     3)作品に応募登録確認書を同封すること。
     4)提出先は本協会近畿支部とする。

    6.質疑応答
    質疑応答は行わない、この募集要項に示された以外は応募者の判断に委ねる。

    7.審査委員
    委員長 難波利三(作家)
    委 員 秀  麗(スタイリスト)
        高橋正吉(阿倍野区商店会連盟会長)
        平井康祐(戎橋筋商店街振興組合理事)
        松本純子(大阪市婦人団体協議会監事)
        森 一貫(帝塚山短期大学学長)
        上田 猛(上田猛建築事務所)
        漆崎照道(高橋上田設計事務所)


    8.賞
    福祉建築アイデア大賞(1点) 表彰状と賞金30万円
    優    秀   賞(5点) 表彰状と賞金 5万円
    佳        作(若干点) 表彰状


    9.審査結果発表・表彰式
      平成11年7月中旬までに入賞者のみに通知するほか本協会機関誌「JIAニュ−ス近畿」ほか   に公表する。
    表彰式は展示会の時に行う。


    10.その他
      応募作品の著作権は応募者に帰属する。ただし、当協会が事業の趣旨に則して、機関誌や入選作品集に掲載する場合または展示などに用いる場合、応募者は使用を認めるものとする。
    応募作品は申し出があれば応募者の送料負担にて返却する。


    申込先
    〒541-0051
    大阪市中央区備後町2-5-8(綿業会館)
    電話06-6229-3371・fax06-6229-3374